それは、いつも通りの喧嘩の中起こったことだった。




「ってえ。」



俺は、つい、油断をしてしまい、チャイナからの攻撃をかろうじてかわしたはずだったのだが、完全には避けきれずに、弾丸が少しだけ掠めた。

掠めたと言っても、傷口は意外にも深く、こからは、真っ赤な鮮血が垂れていた。

まぁ、俺にとってはこんな傷、たいしたことでもなかったのだが、チャイナには、物凄く心、というか、精神的に傷を与えてしまった。



「ごめ………なさいヨ。本当に傷付けるつもりはなかった…アル。ごめんなさい……。」

「…チャイナ?何言ってるんでさァ。別にあんたは悪かァねえよ。油断した俺が悪かったんでさァ。」

「ごめんなさい……、もう、喧嘩しないから…だから……、嫌いにならないでヨ……。」

「違うんでィ!チャイナが悪いんじゃねえよ!俺は心配いらないから、 な?だから、喧嘩辞めるなんて…んな悲しい事言わないで下せィ。」

「でも、私と関わったら、お前の事、壊しちゃうアル。そんなの嫌ヨ!」

「大丈夫、大丈夫でさァ。俺は壊れたりなんかしねえ。」

「本当アルカ?」

「本当でさァ。」



それから、チャイナとは、毎日喧嘩をしたけれど、どこか抑えられているような気がした。

いや、抑えている。

どちらかが、変わらない限り、チャイナは一生このままだと思った。

あの時、俺が少しでも緊張の糸を繋いでいたら、油断をしていなかったら、溝なんて出来なかった?

チャイナがこうなってしまったのは、全て俺のせい?俺達はもう、前のような喧嘩は出来ないのか?



「かぐ…ら。」

「何で名前呼びアルカ?」

「ごめん。……好きでィ。」

「いきなりどうしたネ。熱でもあるアルカ?」

「ねぇよ。」

「じゃあ何で……。」

「俺があんたを守ってやりまさァ。」

「総悟。」

「付き合ってくだせィ。」

「う、ん。」

「ごめん……な。」









謝っても謝っても




(謝りきれない僕の罪悪感)









____________




人を傷付けるのを恐れるぐらさん。

このままだと、誰かにやられそう(断じて、ヤられそうではない)になったとき、抵抗する事はあったとしても自分の身を守る事はつらいだろう。


そう考えた総悟さんは、自分が守ってやろうと思い、秘めた思いをぐらさんに伝えたわけです。


結局は、『沖神』です。

沖→神でも、沖(→)神でもありませんヨ!




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