沖→←←←神/現代/学生

















どうしようもなくアイツに逢いたくなってしまった夜中の11時56分。迷惑?ううん。そんなの関係ない!自分の欲求には素直に従う事が一番良い事だ!

彼と私の部屋はお隣同士だ。今日の夕飯だって一緒に食べたし、まるで新婚さんのようだった。て、まだ付き合ってもいないんだけどね。

「沖田!!寝ちゃったアルか?」

「ダァァァア!テメーは今何時だと思ってんだよ。もう夜中だぜィ?あと数分で明日になっちまうの。分かってんのかィ?明日も部活朝練あって早く寝てーんだよ!」

「で、でも、会いたくなってしまったアル!」

「なに今さらデレてんだよ、アホ」

「・・・うぅ・・本当の本当に会いたくなってしまったアル」

「・・・たく。面倒くせぇーな。上がるか?・・・俺寝るけど」

「じゃあ私も沖田と一緒に寝るアル!」

「ぶっ!!あ、アホか!なんで俺がテメーみてぇーな暴飲暴食娘と寝なくちゃいけねーんだ!」

「・・・人肌恋しいお年頃ネ・・・」

ここは私の今まで姐御たちから教えてもらった、てくにっくとやらの見せどころだ。モジモジして、手を前で組んで・・・上目使い!

「・・・そんなのどこで学んで来たんだか・・・・」

小さく溜め息をついた彼。あれ?効果なし?これを他の男子(ジミーとかメガネ)に試したら効果抜群だったのに。・・・おかしい。まさか私は女として見られていないのでは!?

「・・・マジでか」

「どうしたんでィ、急に」

「な、なんでもないアル!やっぱ今日はもう帰る!おやしゅみなしゃいアリュ!!!!」

「え、おいチャイナ?」

急いで自室に戻った。あぁ、もう!!どうしてこう上手くいかないんだよ!!!






* * *




今日の夕飯は彼女と一緒に食べた。俺にとって祝福の一時だ。

夕飯を食い終わってからはしばらくは彼女の部屋に居たのだが、明日は部活の朝練もあったため自室に退散した。

そして時は11時36分。やけに玄関からすさまじい音がすると思い行ってみると、頬を蒸気させた彼女が立っていた。たぶん、風呂から上がった後なのだろう。何とも艶めかしい。

「沖田!!寝ちゃったアルか?」

「ダァァァア!テメーは今何時だと思ってんだよ。もう夜中だぜィ?あと数分で明日になっちまうの。分かってんのかィ?明日も部活朝練あって早く寝てーんだよ!」

いきなりの事にびっくりしたが、それでも彼女には常識というものがないのだろうか。だいたい、そんな格好だったら湯冷めするだろうが。

「で、でも、会いたくなってしまったアル!」

俺を殺す気か。

「なに今さらデレてんだよ、アホ」

「・・・うぅ・・本当の本当に会いたくなってしまったアル」

あぁ、神様。今、ここで、彼女を押し倒して彼女の蒸気立った赤みの差す首筋に噛みついても良いでしょうか。

「・・・たく。面倒くせぇーな。上がるか?・・・俺寝るけど」

「じゃあ私も沖田と一緒に寝るアル!」

何を言い出すんだこの娘は。俺はまさか男だと思われていないのか?そうだったのなら心外だ。俺は今ここで彼女を押し倒して彼女の中に自分の分身とも言えるモノをも突っ込む気満々だ。

「ぶっ!!あ、アホか!なんで俺がテメーみてぇーな暴飲暴食娘と寝なくちゃいけねーんだ!」

「・・・人肌恋しいお年頃ネ・・・」

人肌って・・・。おい!本当に押し倒しちまうからな!言い出したのはそっちだぞ!彼女は体をモジモジと動かして、手を前で組み上目使いをした。

あ、悪女だ!この女、全て計算済みだ!!!

「・・・そんなのどこで学んで来たんだか・・・・」

小さなため息とともに零れ落ちた言葉に、彼女は微かに眉間にしわを寄せた気がした。と言うか、さっきの行動他の奴にやってないだろうな。

「・・・マジでか」

急に顔を青くした彼女。何が起きたんだろうか。彼女の中で・・・。

「どうしたんでィ、急に」

やっぱり心配になって声をかけたのだが、彼女の言葉によって遮られた。

「な、なんでもないアル!やっぱ今日はもう帰る!おやしゅみなしゃいアリュ!!!!」

おやしゅみなしゃいって!しかもアリュって!!どれだけ俺を殺したいんでさァ。

「え、おいチャイナ?」

俺はどうしたらいいんだろうか。さながら、新妻に家を出て行かれたような喪失感に見舞われた。





夢は儚し恋せよ乙女






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