公園で、いつものようにサボろうとしていた俺は、普段のように土方を抹殺(今日はバズーカを発射)してから、すぐさま公園へ向かった。

しかし、俺は何時も自分が座るベンチには行かなかった。

それがなぜかと言うと、公園に入ったとたんに、公園の一番隅っこにある2人くらいが座れるベンチにある人物を発見したからだ。



「チャイナ?」



そう思い、近づいてみる。しかし、何の反応もない。俺は不審に思い、本当にすぐそばまで行くことにした。

そして、そこで見たのは、チャイナがスースーと寝息を立てて眠っている姿。

いつものチャイナからは想像できない姿だ。なんていうのか……、一言で言うと、無防備。と言う言葉が一番合っていると思う。



「なーに寝てやがるんでィ…。」



「・・・・・・。」



「・・・・・・・・・。」




やっぱり本当に寝ている。
チャイナのこんな姿は初めて見ると思う。普段あんな意気の良い、女らしさの欠片もないチャイナが、今では普通の女の子に見える。




「静かにしてれば可愛いのに。」



って、俺。何言ってんだ?チャイナが可愛い?あぁ、この暑さに頭がとうとうやられたのかもしれない。



「ふにゃ・・・・。兄ちゃん…。」




彼女はどんな夢を見ているのだろうか。兄ちゃん?兄貴と遊んでいる夢でも見ているのだろうか?



「いや、兄ちゃん…行っちゃ嫌アル…。」




楽しい夢でもなさそうだ。


だってほら、チャイナの顔がこんなにも歪んでいる。

自然に手がチャイナの手を握っていた。

チャイナから握り返すなんて思ってもいなかった。





ちっぽけな君の手を



(握り返すことだけが、僕に出来たこと)




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