「ねぇ、あれ神楽ちゃんの彼氏なんじゃない?」
友達に言われて外を見た。本当だ。私の彼氏。
「そうアルな。で?それがどうしたのヨ」
「え、どうしたのって…。何にも思わないの?」
「だから何?」
「……アレって、浮気って言うんじゃないの?」
「ふーん。どうでもいいアル。今距離置いてるし。私、嫉妬とかそんなんしないアル」
そうなんだ。なんて焦りながら笑う友達。私って、この子たちから見たらきっとおかしいんだと思う。
「好きじゃ無かったりとか?」
「うん。たぶん、私総悟の事好きじゃないアル。何にも思わないんだもん」
「へ、へぇ…。あ、あの人って最近有名じゃない?えっと…なんだっけ?名前」
「あぁ、尚アル。本郷尚」
「凄く可愛い顔してるよね!病弱だって聞いてたけど…」
「内臓が弱いらしいネ。この前手術したって聞いたアル」
「仲良いの?」
「総悟と居るより楽しいヨ」
「そうなんだ」
尚と居る方が、ずっと楽しいし面白い。勉強だって教えてくれるし、何より私を心配してくれる。私を一番に考えてくれてるから。
「あ、神楽ちゃん…「もうすぐ授業アル。先に行ってるヨ」
「あ、うん…。…………神楽ちゃん、気づいてるのかな…。すっごく寂しい顔してるのに…それに」
「沖田君だって、すっごく神楽ちゃんの事見てたのに…」