ちいろ様リク沖田女装ネタです。女装表現ちょっとしかないです。
















「…総悟。お前に頼みがあるんだ…」

近藤さんが、何やら深刻そうな顔で俺に頼みがある。なんて言うので、余程大切な何かだと思い屯所の客間に向かった。

襖を開き中を見ると、そこには(死ねよ)土方(コノヤロー)と近藤さん、それに、万事屋の旦那、新八君何やらテンションが高い(自称)紅一点のチャイナが居た。そいつらは一斉に襖の向こうに居る俺を見た。

あれ、変に頭痛がして来た。ちょっとやばいんじゃね?これ、部屋に戻って大人しく寝てた方がいいんじゃね?

襖を開き、そして閉めるまでの時間約1.5秒。

「…見ちゃいけねーモンを見ちまった気がすらァ。あれ、なんだろ。ハンガーにかかってた女物の服」

「サードーッ!」

「うわっ!…なんでィ、チャイナ。俺ちょっと頭痛てェーから部屋に戻…「お願いがあるアル…」

う、上目使い!!!

「銀ちゃん達のとこに、戻ってきてくれないアルか?」

腕をからめて頬を擦り寄せてくるチャイナ。なにコレ。デレか?ついに来たのかチャイナのデレが!!

「…そ、そこまでするなら…」

されるがまま、チャイナに襖の向こうへ連行された。ニヤリ。チャイナがそう笑っているのに気付いた頃には、時すでに遅し。

「おーきーたーくーん」

「…なんですかィ、旦那…」

「総悟。お前にとってはとても辛い事だと思うが……」




女に、なってくれないか?



へ?女?つまりは、そう言う事だよな…。


「女装?」

「すまん!!!!」

泣きながら鼻くそを出している近藤さんを、土方さんがあやしている。

「…どうしてまた…」

「今回の仕事がそう言う女関係の仕事なんだ。そこで、不本意だが万事屋にも頼んだ。勿論、チャイナ娘をだ。真選組では山崎をと思ったんだが、丁度張り込みを頼んでたから無理だったんだよ。近藤さんが女装したら目に毒だろ?俺は駄目だ。…その、まぁアレだから。そこでお前が適任だと思って、お前にした」

「サド!!!早く着替えるヨロシ!!化粧は私がしてやるヨ!!!」

「…チーママみたいにすんじゃねーだろーな」

「あれから私は化粧の全てを学んだネ!化粧のスペシャリストとは私の事アル!!!」

「…まぁ、近藤さんの頼みとあっちゃ、仕方ねーかィ…」

「頑張ってよ、沖田君。神楽ちゃんがすごい乗り気なんだよね。姉妹設定だって。良かったねぇ、沖田君。神楽ちゃんの事、好きなんでしょう?」

小声での旦那の発言。てゆうか、いつからそれを?いやいや、俺はチャイナの事なんて好きじゃねー。断じて好きじゃねー。さっきのチャイナの上目使いとか、頬を擦り寄せて来た時に、まだ発展途上の胸が腕に押しつけられたときに不覚にもムラムラしたとか、そんなの絶対ないから。

「サドー!」

ドキッとした。ビクッってした。

「早く着替えるアル!トッシー、こっちの部屋借りるアルよー!」

「トッシーじゃねぇ。土方だ。…早く着替えて来い」

「サンキューアル!」

笑いながらチャイナは俺の手を握ると、客間の奥の部屋へと連れ込んだ。うわ…、二人っきり…。

もしかしたら甘い雰囲気になったり……とかそんなの望んでねーし?別に良いけどな!!!

そんなこんなでなんとか着替えも化粧も終わったようだ。ついでにおれは化粧はしてもらってない。『化粧をしなかったら、酢昆布買ってやる』なんて言えばイチコロだ。

「うわぁ!本当にサドアルか?!ごっさ綺麗アルー!!本当にお姉ちゃんが出来たみたいネ!!」

目をキラキラ輝かせて俺を見るチャイナの眼は姉を見る目だった。

「あんま、嬉しくねーんだけど…」

チラリとチャイナを盗み見た。…チャイナの方が、可愛い。というより、綺麗だ。漆黒のチャイナドレスには金色の模様が縫いこまれており、うっすらと化粧をしている。これを綺麗と呼ばずして何と呼ぶ。

「さっそく銀ちゃん達に見せるアル!!!」

「あ、」

「どうしたアルカ?」

「チャイナ、口元に何かついてるぜィ?」

ニヤリ。今度は俺が笑う番だ。

「ど、どこアルカ?とれたアルカ?」

「まったく?俺がとってやらァ。…あ、今女だから私か。…神楽ちゃん、こっちを向いてごらん?」

耳元でそう言ってやると、ビクッと肩を揺らしたチャイナ。もしかして、もしかしなくとも…。チャイナって、耳弱かったり?

やべぇ。ムラムラしてきた。

「ほら、ココ」

チャイナの小さな顎を親指と人差し指を使い、顔をあげさせてそして…。


ちゅっ。


リップ音をたててキスしてやった。


「な、なななななな…!!!」

「俺を誘った罰でィ」

「さ、さささ誘った!!??」

「ほら、旦那達のところに行くんでしょう?神楽ちゃん。行きましょう?」

ニコリと笑って女言葉使って。

「うっさいサド!!!さっさと行くアル!!!」

怒って顔を真っ赤にして、襖を開けたチャイナ。


「へぇー。流石あの人の弟。化粧もちゃんとしてるし」

「化粧?俺、化粧なんてしてやせんぜ?」

「……あ!まさか沖田君!!ウチの神楽ちゃんに手ぇ出したな!!!」

「ぎ、銀ちゃん!!!」

「あれ?もしかして口紅ついてやす??あーやっぱりチャイナの口紅付いちまったかィ」

タバコを吹かしながら土方さんは俺をみた。

「ぜってーワザとだろ」

「さぁー?俺はんなの知りやせん?」

「もういいアル!!サド…じゃなかったおねーちゃん!仕事に行くネ!!!」

ヅカヅカと廊下を歩くチャイナの後ろ姿を見ながら、笑いをこらえ切れなくなって小さく笑った。





一日姉妹

(もしかして、神楽ちゃん満更でもない?)
(落ちたな。サディストに)




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