匿名様リク
新婚ほやほやな沖神。できれば甘っ甘な感じ。
※甘っ甘じゃないです
















小さな頃から、素敵なお嫁さんになって、素敵な家庭を築くことが私の夢だった。その夢がつい一週間前に叶ってしまったのだから、嬉しい事この上ない。

朝起きたら隣に素敵な旦那さんが居て、キスをして起こしてあげる。それが、昔までは犬猿の仲だったとしても、だ。

私のために毎日一生懸命お仕事をしてくれて、私のためにお家に帰ってくる。帰ってきたら、やっぱりお帰りなさいのキスは必須だ。もちろん、いってらっしゃいのキスも。

「あれ、神楽。もう起きたのかィ?つか…今何時?」

「まだ朝の6時ヨ。7時から鍛練だって、トッシーから聞いたアル。遅れないようにいかなくちゃネ」

「チェッ。土方の野郎、神楽にまで予定を言うなんて」

「でも、毎日一生懸命お仕事してくれてるネ。私、すっごく嬉しいアル!」

「ま、まぁ。そこまで言うんだったらもっといっぱい稼がなくちゃいけねーな。そのうち子どもも出来るだろうし、今から貯めてても遅くはねーか」

「総悟、子ども好きだもんネ。私も子ども好きアル!」

「でも今はまだ二人で居ような。すぐできちまっても、神楽一人占めできねーもん」

唇を尖らせる総悟は、とても可愛い。それはもうすごく。

毛布から出した手で総悟の頭を優しく撫でた。ふわふわの髪の毛は、いつ触っても気持ちが良い。ずっと触っていたいくらい柔らかくて、少しだけ嫉妬してしまう。

「神楽、どこいくんでィ」

そろそろご飯を作らないと、朝の鍛練に間に合わないので、総悟と一緒に眠っている布団から足を出した。

「今からご飯作ってくるアル。トッシー、怒っちゃうもん」

「まだ間に合いまさァ。だからもうちょっと寝てようぜィ」

確かに。屯所から家までは歩いて十五分とかからない。それでも朝食は大切だし、しっかり食べてもらわないと困るのは目に見えている。

「駄目アル。しっかり食べていっぱい働いてもらうネ。ほら起きて、総悟」

「じゃあ、ちゅーして」

布団の中で、腕だけを出し両手を広げて私を迎え入れるような体制をつくる総悟。今、この状態の総悟に抱きつけば、96%の確率で朝食よりもおいしく頂かれるのは目に見えている。

どう回避するか…。

取り合えず、総悟の体をベッドから出して…。

「今日は体調が優れないから駄目アル。起きないなら、もう一生ちゅーなんてしてあげないからナ!」

「ッチェ。そんな事言われたらもう起きるしかねぇじゃねーかィ。意地悪…」

「ほーら、おはようのギューならしてあげるネ。総悟、おいでー」

「ガキ扱いしやがって!畜生!!!」

そう言いながら私の胸に勢いよく抱きついてきた総悟。すごく可愛い。

「総悟って、案外ツンデレだもんネ」

「お前に言われたくねぇーよ」

「はいはい。起きよう?ご飯作るから、その間に着替えててネ」

「ウィーッス」





夢にまで見た結婚生活。これから先もずっと一緒だと思うと凄くうれしくなる。一緒に生きていくうちに、好きだという気持ちが薄れていくのは、たぶんどの夫婦も一緒だと思う。でも、絶対嫌いには慣れないと思う。

一緒にいたいっていう気持ちがあれば、きっといつまでも一緒に居られるから。

食事を済ませて、総悟を送るために玄関に行った。

「やっぱ行きたくない」

急に駄々をこね始めた総悟。ムスッとした表情に少し笑えてきた。

「どうしてアルか?」

「神楽と離れたくない」

「そんな事言ってたら、本当に子どもみたいアルよ?総悟も、お父さんになるかもしれないのに、そんな事言ってたら子どもに笑われるネ」

「別にいい。子どもまだ作んないし」

「でもそのうち作るでしょ?」

「その時はその時」

「我儘」

少し睨むように言ってやるとそっぽを向いて唇を尖らせた総悟。

「もう、しょうがないアルな!ほら総悟!ちゅーしてあげるネ!!こっち向くヨロシ!」

「でも体調悪いんだろィ?」

「そんなのどうでもいいアル!」

「マジでか。んじゃ…」

小鳥がするような軽いキス。でもそれだけでも凄く満たされる。

「いってらっしゃいアル!」

「今夜から…」

「?」

「子作り、一緒に励むとするか」

そう言ってさっさと仕事に行ってしまった総悟。さっきまで行きたくないだの、まだ子どもはいらないだの言っていたのに、こんなにもあっさりと…。


「楽しみにしてるアル」



本当、結婚っていいな。




ミルクティー+@







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