昼休み。
何とも気持ちが良い風が吹き抜ける屋上。
「チャイナってさ、派手だよな」
「何アルか、いきなり」
「この前な、見ちまったんでィ」
「何を」
「モノクロの世界」
モノクロの世界?
「お前にも、みせてやろーか?」
「いいアル。ものくろなんて面白くないもん」
「いーからいーから」
そう言って私の手を引く沖田。
へんなの。
「こっから、もぐるんでィ」
「ここから?」
沖田が差したココ。
「ここ、ただの壁アル」
「いーから、ほら。早く」
ポンっと私の背中を押す沖田。あれ、何かお前おかしいぞ。
頭から耳が伸びてる!!ウサギだ!!!
「ヒッ!!!!」
沖田の耳を見るのに精いっぱいで、前を向くとそこは知らない世界が広がっていた。
「ウギャァァァア!!空飛んでるアル!!!って、落ちてるアルゥゥゥう!!!!」
勢いを増しながら私は急降下。
まっさかさまに深い黒へ落ちて行く。ここは、どこ??!
ドシャァァ…
どうやら木の枝に引っかかったみたいだ。
昔から強運だったけど、こんなところでそれを発揮できるなんて・・・。
バキッ
「っ!!」
やっぱりそうでもないようだ。あ、たんこぶ出来た。
立ち上がって初めて気づく。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁあ!!!」
ふ、服が。私の服が!!
「ヒラッヒラアル!!!!」
赤と黒のひらひらのワンピースのようだ。
これは所謂ゴシックロリータ・・・。
あ、でもちょっとかわいいかも・・・。
「誰だ!そこに居るのは!!」
高い女の人の声がして、バッと振り返る。
「あ、姐御!?」
そこには、全身白黒な服装をした姐御がいた。
つづく…