こうして、2人で一緒に学校へ通うようになったのは何時からだろうか。
沖田の隣に居るだけでも、心臓がバクバク鳴って煩い。
聞こえてたら、どうしよう。
恥ずかしくて、死んでしまうかもしれない。
沖田に恋をして、たくさんの事を知った。
恋する女の子の気持ちがわかった。
だから、苦しくって仕様がない。
だって、これは私の片思いだから。
「あ、」
突然に声をあげた沖田に、私は肩をピクリと震わす。
「俺、今日弁当忘れてきた・・・かも」
「マジでか?・・・取りに行くアルか?」
うーん。
そう沖田は言うと、頭をかきながら小さく言った。
「その、俺ん家まで、付いて来てくんね?俺から誘ってなんだし、さ」
「別に、いいアルよ?でも学校。遅刻になっちゃうアルな」
「・・・ごめん」
申し訳なさそうに、うつむく沖田に、私は少し焦る。
「ち、違うヨ!その、遅刻なんて日常だったし、それに、まだ、一緒に居ようヨ!」
「・・・・・・それ、反則」
「え?なにが、アルか?」
「んーん。なんもない。じゃ、一緒に行くかィ?俺ん家。ついでに学校休もうぜィ?銀八にも、連絡入れっから」
「お、お願いするアル・・・」
「おう」
そう言って、沖田は携帯を取り出す。
なんだか、かっこいい。
「あ、のさ!!沖田!」
「ん?」
「どーして、私と一緒に学校行ってくれるアルか?」
「・・・どーして、って言われても・・・その、」
「どーして?」
「・・・・・・楽しいから。だと思う。うん。楽しいから」
「本当に?」
「おう」
「ありがとうアル」
「ははっ、変なチャイナ。明日も、一緒に学校行ってくれるかィ?」
「も、もちろんヨ!」
「よかった」
そう言って、くしゃりと笑う沖田に、私の心臓はピークだ。
破けちゃいそう。
どうにか、今日中に治りますように・・・。
だから、それまでは、どうか沖田に、私の心臓の音が聞こえないように。
いつか彼に言える時がくるまでは―――・・・。