日記でございます
桃山薄恋百系
2010/10/02 09:03
「沖田の馬鹿。なんで迎えに来てくれないアルカ」
祭りの最中に、一緒に来ていた沖田とはぐれてしまった。べつに、寂しいとか怖いとか、そんなの全然思ってないアル。ただ、迷子になった沖田を心配してるだけヨ!
何て強がりもそう長くは続くはずもなく。段々と涙腺が脆くなっていき、すんっと鼻を鳴らすと同時にポタりと小さな涙が浴衣の袖に落ちてしまった。
「あいつ、あり得ないアル!女の子を、しかもこんな美少女を置いてどっかに行っちゃうなんて!それでも彼氏かよ、コノヤロー!!」
道行く人々が私を見ながら苦笑いする。ほら、お前が私を置いて行くから皆の笑い者アル。どうしてくれるネ。
「お腹すいた…。あ、そうだ。チョコバナナ食べよーっと…」
チョコバナナを取り出して、食べようと試みた。すると、私の正面には小さく蹲って泣いている小さな男の子。迷子みたいアル。
心配になって、その子の側まで駆け寄ってみた。
「僕、迷子アルか?」
「…!ち、違うやい!迷子なんかじゃねーよ!!」
ズピーッと音を立てて鼻水を啜る音が聞こえる。完全に泣いてる。きっとママとはぐれたんだ。
「うーん。これ、食べるアルカ?私のだけど、お前にあげるアル」
顔をヒョコリとあげた男の子は、私を見るなり笑顔になって『べ、別にお腹がすいてるわけじゃないからな!』なんて言いながらチョコバナナを食べた。あれ。これが世間で言うツンデレアルか?
「僕、名前はなんて言うアル?私は神楽って言うネ」
「かぐら?……僕は、爽痲(そうま)。…きめた!僕、将来神楽と結婚する!」
「…ん?」
笑顔で答えてくれたのは嬉しいけど、自分より小さな子供にプロポーズされてしまった。いや、でも少し生意気だけど可愛いし…。結婚はできないけど、お友達っていうか弟のような感覚で……、って。
「神楽!!」
あ、総悟。
「やっと見つけた…って。そのガキ、誰?」
「爽痲アル。迷子さんみたいで、今ママさん探してる所ネ」
「迷子じゃねーって言ってるだろ!それに、僕にはママはいない!」
ギュッと抱きついてきた爽痲を、私は抱っこをする体制になった。子どもって、どうしてこんなに軽くて暖かいんだろう。
えっと、この後は神楽が好きな爽痲が(母親は他界。父親は引き取らなかった)、小さな妹をひきつれて神楽のマンションへ居候。神楽の父は金持ち設定。神楽は自力で(バイト掛け持ち)生活をしていたが、居候が二人も出来たために今まで父が振り込んでいた多額のお金を使い養う…。
的な感じで想像していただきたいです(笑)
長編にしようかなーなんて思ってますけど、あんまりおもしろくならなさそう…。皆さんの声お待ちしてます←
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