「朝だよ、名前」

「ぅん、……も、ちょっと…」

私を起こそうとする声がする。
だけど、今日は休日。
ちょっとくらい…と眉を寄せれば再び声がした。

「だーめ。ほら、しゃきっと起きて」
「………んん。………トーマ。おはよ、」
「うん、おはよう名前」

なんとか体を起こしておはようと呟けば、満足そうな笑みが返ってくる。

そして、私を見つめるトーマがおかしそうに笑うのが分かった。

「っ、すごい寝癖だね」
「えっ、ど、どこ?!」

いくら小さい頃から知ってるトーマとはいえ、今は恋人。
やっぱり、綺麗な私を見てほしいと思うのに…寝癖なんて、かっこ悪い。

「全体的に、かな」
「やだ、鏡っ…」
「…可愛いのにねぇ」
「いやなの!もうっ!」

慌てて手櫛で直そうとするのに、トーマはそんなことどうでもいいみたいに笑ってる。
周りをきょろきょろする私の腕を掴んで、ほら落ち着いて、って。
…やっぱりトーマからしたら私はほっとけない妹なのかなぁ。

「ね、こうしたら…寝癖なんて見えない」

考え事してる間に、ぐっと近い位置にいたトーマ。
おでこがつくくらい近くで見つめて、にっこり笑う。

それが恥ずかしくて、思わず目を逸らした。

ふ、と。
おでこにトーマが触れて、離れる。

びっくりしてトーマを見れば、さっきより、少しだけテレた表情。

「──ふふっ、名前、可愛い」

それなのに、またそんなこと言うんだから。
落ち着かない私は、跳ねる心臓を必死に抑えて、逃げるように洗面所に向かった。

寝癖を直すより。
真っ赤になった耳を隠すことしか浮かばなかった。



ダイヤの目覚まし

あんなに眠たかったはずなのに、もう眠気なんて欠片も見つけられない。




と、いう夢を朝方見ました(実話)


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -