ふぅ、と一息。

オレのつくった服を着て、笑顔で帰る姿。
その姿を嬉しく思いながら笑顔で見送って、傍のイスに腰掛ける。

「…アース?」

疲れた?大丈夫?

そうやって心配そうに首を傾げる名前。
だけど、疲れていたというわけではないから、大丈夫、と笑って応える。
そして、ふと…思い立って、立ち上がる。

「なぁ、名前…」

そう言って呼びかけて、手に持った服を見せる。
オレの方を、じっと不思議そうに眺めてくる名前を見ていると、自然と笑みが零れてしまう。

「着てみてくれるか?」

そんなのは、ただの誘い文句。
本当は、浮かんで消えなかったお前の姿を…見たいだけ。


時間があると、いつでも…考えるのは、名前のこと。

お前に似合う色、デザイン…考え始めれば、止まらない。
これも、そうしてつくってしまったものの一つ。

空に描いた名前は、眩しいほどの笑顔をオレに向けてくれたけど…。

やっぱり。
本当のお前の笑顔が見たくて。


「アース、これでいい?」

そう言いながら、姿を見せた名前に、一瞬止まる。

少し恥ずかしそうに、けれども嬉しそうに。
その目を細めて、笑う。

そう、その表情だよ…オレが、見たくて堪らなかったのは。

服をつくれば、皆が喜んでくれる。
それは、オレにとって…なにより嬉しいこと。

…だけど、やっぱり。

お前の笑顔を見れるのが、一番だよ。


つい、抱きしめたくなるのは…名前だから。
だけど、そうしてしまえば…その姿が見えなくなる。

──どちらも見ていたいと思うのは、贅沢だ。分かってる。

「ねぇ、似合うかな?」

だけど、それを破ったのは名前。
オレの前に立って、尋ねるように見上げる。

そんなの…、

「当たり前、」

思わず腕を引いて、お前を抱き寄せる。
それから、囁く…というより、呟くように。

オレが、お前を想ってつくったんだから…、

「…可愛いに、決まってるだろ」

そう言ったアースの声は、いつもと違って。
気になって見上げてみると、恥ずかしそうな表情。

それを見つけた私は、先の言葉の恥ずかしさと嬉しさと…。
色んな感情を抱きながらも、笑った。


そう、君の笑顔を…いつも見ていられるように───



空よりキミの、




アース!です!←
うちのアースは余裕がない(笑)


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