最近の私の流行。


「ねぇねぇ、キリク!」

聞いてきいて、と駆け寄ってくる名前。
まったく、相変わらずボクに近づいてくるときの表情が可愛くて仕方ないよ。
まぁ、名前ならどんな表情でも可愛く思えるんだけどね。

「…あぁ、──でしょ」

最近の名前のお気に入り。
なぞなぞ作り、だって。
自分で考えて、ボクに伝えにくる。

だけど、ね…


「ばぁか」

そうやって、言葉を投げかけるのは悔しいから。
でも、それって…名前が、ボクの気持ちを理解しきれてないからじゃないかな?
ちょっと、鈍感なんだよね…名前、ってば。
…まぁ、そんなところも可愛いんだけど。

…そろそろ分かってくれてもいいんじゃない?


もう、キリクってば…。
私がどれだけ頑張って考えても、直ぐに解いちゃうんだもん。
なんで…?
まるで、私の考え…全部お見通しじゃない。
そんなに、単調なのかな…。


ねぇ、名前…分かってる?

「ボクは、名前の考えてることなら…なんでも分かるんだよ?」

キミは気付いてないみたいだけど。

「なんたってボクは、キミのことが好きなんだからね」

気付いてた?

そんな風に驚いた顔をしてる、ってことは…全く気付いてもらえてなかったんだろうけど。
…まぁ、名前の気持ちは分かってるから。


「ね、ボクがなんでも解けた理由…分かった?」

そう問えば、俯くだけの名前。
やっと、顔をあげたと思ったら…一つ。

「じゃぁ、問題。」
私が、キリクにばかりなぞなぞをもってきてたのは…なんで、でしょう。

…そんな風に語尾が消えてたら、名前のこと知らない人でも、答えは分かるんじゃない?

それは…───

「名前が、ボクのこと好きだから」

ね、間違ってないでしょ?
だって、ボクはずっと名前を見てたんだから。
名前がボクを見てたのだって、本当はずっと知ってたんだよ?

…知らなかった。キリク、が?
でも、そう分かると…嬉しくて仕方ないの。
だって…キリクが、私のことを…それだけ見てくれてる、ってことだから。


──好きだよ、名前。

…うん、私も。



不思議な言葉たち。

話しけるのは、気付いてほしいから。
応えるのは、貴女が大切だから。
いつでも見ていたいと願うのは…貴方が、貴女が愛しいから。




「ばぁか」「…好きだから」のやり取りが書きたかっただけ、です。


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