〔MAJOR:清水大河〕
その表情が見たくって、
「大河君!キャッチボールしよう?」
突然すぎる私の誘いだけど、なんで…、なんて呟きながらも、結局はやってくれるんじゃない。
練習前、まだ人が来てなくて…二人だけ。
いや、ね…図々しいのは覚悟の上だったんだけど…。…。
ボールを持って、宙に浮かせて捕って…その繰り返し。
退屈そうだし…私、ベースボールで体動かすの好きだしね。
…まぁ、手加減してくれてる大河君にしてみたら、軽い肩慣らしくらいにしかならないだろうけど。
「ふふっ、久しぶりだから余計に楽しいや」
「あっそう」
「大河君、やっぱり上手だね〜」
「当たり前だろ?」
素直じゃないなぁ、なんて笑みが零れてくるのは仕方ない。
そういうところも…らしくて、好きなんだけど。
もうちょっと、素直な反応してくれてもいいんじゃない?
皆が集まって、練習も一折り。
休憩時間、近くに居た大河君に向けて呟く。
「やっぱり…野球してるときが一番カッコいいね」
真剣な表情の大河君が凄くカッコいい。
大好きな君への、偽れない私の本心。
ねぇ…すっ、と、顔を背けて隠した表情は…心の表れ?
それは…たまにしか出されない、表情だけど…。…。
また見れるなら…次は、何をしようか──?
【まっしぐらの恋のお題 05. その顔見たさについ】
恋したくなるお題 配布 様より。
← ○ →