〔ナデプロ!!:甲斐由直〕



嘘も本当も、



「…遅い」

「もう知らない、」

「ばか…」

分かってる、分かってるんだよ…仕事だってことは。
だけど…今日は早く帰れるって言ってたのに!


仕事の予定がずれたのかも分からないし。
マネージャーの樋口さんが何かしたのかも、デスクの八十科さんが問題起こしたのかも…分からないけど!でも!


「今日は、一緒に居れるはずだったのに…」

12月のカレンダーが指すのは24日。
クリスマスイヴには、やっぱり、好きな人と一緒に居たいじゃない。

だけど、もう夜も遅い時間。


「…早く帰ってきてよ、」

こんなに一人が淋しい夜はないんだから…。…。



「ただいま」

「…おかえり」

ごめんね、遅くなって…、って困ったように言ってくれる。

うん、って素直に言えたら良かったのに…。


「いいよ、もう寝るから」

どっからどう見たって拗ねた様子の意地っ張りな彼女。

「嘘なんて、通じると思う?」

淋しかった、って…言ってよ。

「…、思わない」


「…本当は、由直が帰ってこなくて淋しかった…」

そうやって君が本心を見せてくれたら…

「うん、明日は午後からだから…」
「っ、ちょっと…!?」

そう言って抱きしめて…


「今から、一緒に過ごそうか」


君が恥ずかしそうに頷くのを見るのも、悪くないよね?





【まっしぐらの恋のお題 06. 冗談なんて通じないよ】
恋したくなるお題 配布 様より。




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