〔ヴァンパイア騎士:錐生零〕
うつつ陽
眩しい光。
東の空から降り注ぐ陽は、容赦なくオレを照らし始める。
その光から逃げるように、手をかざすが…──
「零!いつまで寝てるつもりっ!」
ほらほら、早く起きる!
面倒くさそうな表情でこっちを見る零。
ゆっくり起きだして、なんだか不機嫌そうな…いつものような表情で、着替えを始めようとしている…。…。
…は!?
ちょっと待って、零!
私…まだ居るんだけど!!?
慌てて、すぐに部屋の外に出た私。
だけど、扉を閉めきる前に…ふ、と思い出して声をかける。
「…零、おはよう」
「…あぁ」
笑顔で言った私とは反対に、ぶっきらぼうな返事。
いつものことなんだけど、なんだかそれが気に入らない。
ちょっと拗ねたような表情で、部屋に居る零を見上げる。
「ぜーろっ!ごあいさつは?」
「……おはよう」
その返事に、今度は嬉しそうに頷いて、扉から離れる。
…すぐにしまった扉のせいで。
照れたように顔を背けた零の表情は、見えなかったけど…──
【歩み寄る二人の為のお題 04.せめて挨拶はしようよ】
恋したくなるお題 配布 様より。
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