〔仕立屋工房:アース〕



旅立つキミと、待つキミへ



「世界制服(ユニフォーミング)…?」


突然、そんなこと言われて…驚かないわけがない。
そういう野望…アースらしいと思う。
それに…実際、できるんじゃないか、って。

…だけど、それじゃぁ、

「…暫く、会えないの?」

不安げに表情を歪める私を…アース、キミはどう見てる?
だって、さ…ずっと一緒だったのに。
これからも、ずっと…って、思ってたのに…──

だけど、そんな私の心境なんて知らないみたいに…キミは、いつもどおりに笑う。

「あぁ…暫くは、そうなるだろうな」

…ねぇ、
私、いつもどおりに笑えてるかな…?
だって…淋しいよ……──

だけど、そんな私の心…アースにはお見通しだもんね。
私が言ってほしい言葉、それをちゃんとくれる。

大丈夫だよ、
「終わったら、絶対…ここに帰ってくる」

お前の居る場所が、オレの帰る場所だから───


いつもと同じ…、
違う…いつもより綺麗に笑って、アースは笑う。

その表情を見ていたら、言葉にできない想いが溢れてくる。
双方の表情を隠すように…アースにぎゅっ、と抱きついて…ぽつりと呟く。

「…ずっと、待ってるから」
絶対、だよ…?

震えを抑えて、絞り出した声。
分かってる、って優しく笑って私を抱きとめて…。

「約束するよ」

そう言って、小指を結ぶ。



それから、旅立つ君の後姿を…ただただ見つめる。
だけど…泣いたりしないよ。
君の笑顔と、交わした約束を覚えてる。

私は…信じて、待っているから───





【歩み寄る二人の為のお題 03.なんで君は普段通りなの?】
恋したくなるお題 配布 様より。




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