〔少年陰陽師:安倍昌浩〕



本当の想い



「昌浩、大好きよ」

そう言って微笑んでくれる姉上が、ずっと好き。
だけど…なんか、違う。
兄上たちや、父上、母上に思うのとは、また違う感情。

少し前まで、なんでか全然分かんなくて…。
それでも、やっと…分かった。

俺は、姉上が好きなんだ…。
でも…誰よりも姉上が大切な気持ちは、昔から変わらない。

…だから、
本当の想いを、包んで隠して。

「俺も大好きです、姉上」

答えながら、必死で笑顔をつくる。


姉弟…その関係は、絶対に変わらない。
それでも…、
この想いも、簡単に消えるはずのないものだから…。

…だから、
訪れるかも分からない、その時まで。

姉上のこと…好きでいても、いいですか…?


心に隠した問いかけに、応えなどない。

…それでも。
この想いだけは…、
ずっと、消さずに…抱き続けていたいから───





【歩み寄る二人の為のお題 06.どうしたって変わらないもの】
恋したくなるお題 配布 様より。




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