あっ、そういえば。
思いついたように千尋が言った。
「カリガネたち、元は異世界の人なんだよ、って……言ったっけ?」
近所に住む親友の千尋の家に遊びにきた。
女子高生同士、やはりおしゃべりがすすむ。
そんな中、千尋がさらっと発した一言に、撫子は耳を疑った。
「………ごめんちーちゃん、意味が分からない」
いやだって、いきなり異世界とかなんなの!?
千尋ってば疲れてるんじゃないの!?
そう思わずにはいられない。
しかし、思い当たる節が…なくもないのだ。
「ほら、春に少し家空けてたでしょ?」
そう。
少しの間葦原家3人は家を空けていて、帰ってきたら大所帯。
気が付いたら見慣れた平屋は、立派な豪邸になっていた。
………疑いきれない。
「いや、てか、なんでいきなりこのカミングアウト…?」
「うーん…撫子が本気でカリガネのこと口説いてるみたいだから」
我慢できずに千尋に問えば、思いもよらない返答。
「──知りたかったでしょ?」
意図が分かった瞬間。
撫子は大きな声と笑顔を千尋に向けていた。
「ありがとうっ!ちーちゃんだいすき!」
驚き
「──でさ、異世界ってどんな感じなの?」
「……撫子、切り替え早すぎ…」
ちーちゃんと恋バナさせてみたい(笑)
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