「カリガネ見て見てっ!」
花屋の店先で空を指して言う撫子。
「雪…つもるかな、」
少女らしい可愛さが残っている、と少し思えば。
「雪だるま、雪うさぎ、……雪カリガネ?」
えっ、ちょ、か、考えただけでめちゃめちゃ可愛いんだけどっ!
少女らしい可愛さはどこへやら。
いつものごとく、行き着く先はカリガネ。一直線。
「………意味が分からない」
カリガネの解せぬ、といった表情にも楽しそうな顔を見せる撫子。
「絶対可愛いよ!私なら部屋に飾る!」
「……雪が溶けるな」
「あっ、それはダメ!」
むっ、と眉間にしわをつくって考えこむ仕草をする。
そして少しの後。
ぱっ、と満面の笑みで人差し指を立てる。
結論。
「冷凍庫に飾る!」
好奇心
衛生的によくないから、とカリガネに諭されてようやく諦める撫子だった。
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