ありがとうございました!お礼にお話!
〔執事様のお気に入り:鹿糠隼斗〕【白雪】
「──暑い」
仮にもお嬢様とは思えないほど険しい表情の彼女の機嫌をうかがう。
「冷たい麦茶ならあるぞー?」
「…ほしい」
「おう!──ほら、」
この暑いのに隣の執事は元気そのものだ。
にかっと笑うその顔に、とても心惹かれ、近づきたいと思う。
しかし……問題がある。
まず、まずだ!
「もうっ!隼斗!」
「なっ、ど、どうした!?」
「…他に、制服ないわけ?」
そう、見た目が!暑くてしょうがないのだ。
本当だったらもうちょっと、もうちょっと、距離を縮めて話したり…したい。
それなのに!
「うーん…まぁ、こっちの制服はこんなだからなぁ」
「まったく…人の気も知らないで」
「ちょ、なんで怒ってんだよー!」
「っ、なんでもない!」
もうちょっと涼しい制服をください。
そうしたら…夏でももっと、もっと、彼に近づけるのに。
【君にお願い五題 5.もっともっとちかづきたい】
Fortune Fate 様より