2018/06/19 23:54
空はうっすらと雲がかかり、隙間から僅かに星の明かりが覗く。
明日は楽しみにしていたお出かけの日で。久しぶりに忍人と一緒だ。
せっかく二人、ゆっくりすごせると思ったが…夜だからか、雲が厚いせいか、
あたりは暗くなる一方で、どうしても心は沈んでしまう。
「願い事をしてみるか?」
星が流れる間に三度、だったか?
聞こえた声に驚いて振り向けば、忍人さんがそこにいて、
以前教えたことを確認するような眼差しを向けてくる。
「笑うな。…君のためだろう」
嬉しくて、優しくて、頬も目元も緩んでしまう。
すこしだけむっとしていた顔が少し柔らかくなったのを確認したら、
二人で空を見上げて、流れる星を探すことにした。
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