たとえばね、今世界は夕焼けの色をしているとしようか。シズちゃんにとって世界の色は橙色で、俺にとっても橙色だ。
だけど、それが同じ色を見てるってどうして言えるんだい?
俺にとっての橙はシズちゃんにとっての青かもしれない。可能性はある。でも、それを確かめる術はないんだよ。
それは言葉にも言えるよね。俺の発した「大嫌い」はシズちゃんにとっては「大好き」かもしれない。そういう胸糞悪い事はありえるんだよ。
…よくわからないって顔してるね。まあシズちゃんにわかるとは思って無いから安心してくれていいよ。
つまり何がいいたいかって言うともしもシズちゃんにとって俺の「大嫌い」が「大好き」として伝わってた場合こんなに不愉快なこともないよね、って話。俺はシズちゃんにできる限り不愉快な思いをして欲しいから悪意をぶつけてるのにシズちゃんには好意としてつたわっちゃうんだ。
そういう可能性は少しでもつぶしておきたい。君にはできうるかり不快でいてほしいんだ。
だから、
「シズちゃん、大好き。」
そのためなら、このくらいはやってやるよ。
…そういうことに、しておいてよ。
感覚相違論
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絵茶投下物
理屈つけて好きって言いたい臨也さん