香水


臨也が例の喧嘩人形さんイメージの香水の試作品の一部を手に入れたようです








ひょい、と机の上に置かれた小さなビンを手に取る。

波江がどこからか持ってきた小さなビン(会社のつてとか何とか言っていた。)。中にはなんとなんと、あの池袋名物喧嘩人形のイメージで作られたという香水が入っている。


「…香水、ねえ。あの暴力の塊みたいな奴をイメージした香水って、唐辛子でも入ってんの?」

ちゃぷちゃぷ。飾りっ気のないビンに入れられた試作品らしいそれはただの水のようにも見える。
どんな匂いなんだろう。好奇心に動かされた俺はビンをあけ、少しだけ匂いをかいでみた。

ふわりと香るすっきりした香り。
確かにいい匂いのそれは、けれども、

「…なんだ、ふつうの香水だ。」

特筆すべきこともないただの香水だった。

「だめだなあ、シズちゃんをイメージするならもっと奇抜な匂いじゃなきゃ。シズちゃんはこんなふつうじゃないよ。」
もう一度ビンに鼻を近づける。良い香りだ。
…良い香りすぎる。

彼の匂いはもっと、こう、タバコの匂いが混ざっていて、不快なはずなのにそれを感じさせないような、

「…なんていうか、まあ、シズちゃんの方が100倍位いい匂いだよね。」

いつも通りにやりと笑った自分の声がいつもより少しだけ柔らかいことに気づくこともなく、臨也は香水の蓋をしめ、ゴミ箱に投げ入れた。

―――――
匂いフェチ臨也。
本当は「シズちゃんの匂いだ」っていって時々かいでみてきゅんきゅんする臨也も考えたけどキャラ崩壊甚だしいのでやめた^q^
これも充分キャラ崩壊してるけどね!




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