いりすパロ


※フリーゲーム「いり/す症/候群!滅」のパロディ
※凄まじくネタバレ
※凄まじく捏造
※グロい
※グロい
※大事なことなので2回言いました

前提
・小学校高学年くらい
・静雄と臨也は同じ学校
・静雄は友達がいない
・静雄は猫に対する喘息持ち












学校の校庭の隅に、友達が居た。
真っ白というには少し汚れたみすぼらしい体、どこからともなく学校に迷い込んできて、いつの間にかここで飼われていた小さくて暖かく、長い耳のそれ。
そう、白く小さく、そして少しだけみすぼらしい、だけど愛らしいうさぎは俺の唯一の友達だった。

*****

俺の学校には猫とうさぎがいる。
人気者の猫と不人気なうさぎ。
俺ももちろん猫とよく遊んでいた。
だけど校庭の隅っこに押し込められているうさぎも、別に嫌いではなかった。

*****

学校にはこいつの他に、猫が一匹いる。猫はみんなにとても可愛がられている。だけど俺は猫に近寄るとせきがでる。
それに比べ見るからにボロボロなこのうさぎはそう可愛がられているわけではない。だけど俺はこいつに触ってもせきはでない。
だから兎小屋には俺とこいつだけ。それでいい。それがいい。
俺のことを嫌うあいつらなんていらない。

*****

俺はたまに気まぐれにうさぎ小屋を訪れる。
うさぎ小屋は世話当番があるわけでもないのにいつも清潔であるのは新鮮な野菜ときれいな水。
誰がこのかわいそうなうさぎを世話してやってるんだろう。
俺はずっとそれが気になっていた。
そんな疑問はある日いつもの通り何気なくうさぎ小屋に行ったときに解決した。

うさぎ小屋に、男の子がいた。

*****

今日、うさぎと遊んでいたら不意に人の気配がした。
振り向いたら知らない子が立っていて、目が合うと気まずそうに去っていった。
赤い目の男の子。
髪の毛は黒かったけど、少しだけうさぎみたいだなと思った。

*****

今日もまた居る。

男の子を見つけてから、俺は足繁くうさぎ小屋に通うようになった。
うさぎと遊ぶ彼が何となく気になったのだ。

そうしてもはやいつも通りと言っても問題なくなった行動でいつも通り彼とうさぎのふれあいを邪魔しないよう遠くから見ていると、いつも通りでないことがおこった。
急に振り向く彼。
ばっちりとあう目。

なんだか居たたまれなくなって俺は逃げるようにその場を離れた。

*****

うさぎと遊ぶ俺とそれを遠くからこっそり眺めているあいつ。
目が合うと逃げてしまうから知らない振り。

*****

彼は思った以上によくこのうさぎ小屋にいる。
それにあわせる俺もたくさんうさぎ小屋に来るようになった。

あの日以来彼に見つかったことはない。

だから今日もいつも通りうさぎと戯れる彼をいつも通り眺めているだけだ。

*****

いつもうさぎ小屋にいるあいつは「おりはらいざや」と言うらしい。
俺を見るとき嫌な目をしない珍しいやつ。
明日もあいつは来るのだろうか。

*****

彼の名前は「へいわじましずお」と言うらしい。
少しだけ力が強くて、クラスになじめていない、ちょっと変わった子だ。
ぜんそくという病気のせいで猫と遊べないんだそうだ。

しずお。しずお。
どうせ本人に面と向かって呼ぶことも無いのだろうし、勝手にシズちゃんと呼ぶことにした。

*****

うさぎと俺といざや。
いつもの空間。
前の俺とうさぎだけのいつもより、少しだけ楽しい。

*****

いつもより早く来たうさぎ小屋にシズちゃんは居らず、かわりに猫がいた。
金網越しに寄り添ううさぎと猫。
その光景に少し微笑ましく思ったが、もうすぐ来る彼のために猫を追い出した。

*****

うさぎ小屋の前に猫がうろうろしていたので追い払った。
少しせきがでた。

*****

今日はいつもよりかなり早めに家をでた。
大雨が降っていてなんとなくうさぎが心配になったのだ。
だから、朝早く。シズちゃんとうさぎのふれあいを邪魔しないよう。

誰もいない校庭を走り、うさぎ小屋へ向かう。



ボロボロのうさぎは眠るように静かに息絶えていた。


*****

今日も餌の野菜を持ってうさぎ小屋に向かう。
うさぎは喜んでくれるだろうか。

*****

寿命だろうか、それとも雨による気温の変化がこたえたのだろうか。…それとも嫌われながら生きることが嫌になったのだろうか。
死んだうさぎを見つめながら思う。

だけどダメだ。
このうさぎが死んだら、猫と遊ぶこともできずクラスでも馴染めないシズちゃんは1人になってしまう。それは駄目だ。
だけど俺はうさぎを生き返らせることなんて出来ない。どうしよう、どうしよう。

ふ、と頭に1つの案が浮かぶ。
俺は少し躊躇ったあと、校舎に向かって走りだした。
迷っている時間はない。こうしている間にも誰かが、もしかしたらシズちゃんがきて、死んだうさぎを見てしまうかもしれないのだ。

目指す場所は図工室。
俺は走った。

彼に、友達を作ってやるのだ。

*****

うさぎ小屋の扉が開いていた。

*****

そう好かれていた訳でもないうさぎがただ寿命で死んだらどうだろう。
きっとどうにもならない。せいぜい数人の口からその話題がでて、終わりだ。もしかしたら気づかない人すらいるかもしれない。

だが例えば、うさぎが寿命ではなく変死していたとしたらどうだろう。
うさぎのことはきっと話題になる。そうすればうさぎをずっと世話していたシズちゃんも話に入ることができる。そしてそれをきっかけにシズちゃんはみんなに溶け込めるだろう。
だから、そんな死に方じゃ駄目なんだ。もっと話題性のある、そうだな例えば、


首だけの惨殺死体とか、どうだろう。


*****

中には、俺の友達が、首だけになって置かれていた。
猫が、その首を舐めていた。



俺はその猫を力任せに掴んで叩きつけて首を捻じ切って―――

*****

ぐちぐちぐち。

図工で使っていたノコギリでうさぎの首を落とす。

小さい体だが肉と骨は頑丈で、切り離すのに時間がかかる。こんなところを誰かに見られたらおしまいだ。
はやく、はやくと思っても刃はなかなか進んでいかない。

ぐちぐち

ぐちぐちぐち

ぐちゃぐちゃ。

ぷつん。

ごろん。

ようやくうさぎの首が体から離れる。
俺は首だけを地面に残し、うさぎの体とノコギリを持って外にでた。

ノコギリと体、あとうさぎの血と油にまみれた俺の手を処理しなくては。

これで、シズちゃんはみんなと仲良くなれるだろうか。

*****

やれなかった。
殺せなかった。
せきが止まらない。せきが、せきが、
力がでない、なんでだよ俺の力こんなときぐらい役に立ってくれよ畜生、せきが、とまらな、せ、き、が

*****

怖いね。
気をつけないとね。
そんな程度でうさぎの話題は終わった。

シズちゃんは、いつの間にか学校から居なくなっていた。
猫も居なくなっていた。

うさぎより彼より、猫が居なくなったことの方がよっぽど話題になっていた。

数日後、猫が帰ってきた。
みんなとても、とてもとても喜んで。


うさぎのことなんて、とっくに忘れていた。

*****

せきが、止まらない。

*****

シズちゃんはどうなったのだろう。
それを知ることは出来なかった。

何もいなくなったうさぎ小屋に俺1人。

うさぎが死んでから、俺がシズちゃんに会うことはなかった。


―――――
配役は
いりす→静雄
うーじ→臨也
で。
このあと見事に病んだ2人は大学で再会するわけです。

どうしても書きたかったので書いてみたんですが…これ大丈夫かな…?
色々捏造しました

い/りす症候/群!シリーズ、面白いのでパソコンあって興味がある方は是非やってみてくださいな。




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