家から学園まで十数分
「でっかぁ……」
編入試験のときも思ったが、この学園はでか過ぎる。
それとも私立は全てこのくらいの規模なのだろうか?
「すみません」
「はい?」
呆然としていると、突然声をかけられた。 驚いて振り返ってみると、そこには紅色の髪と瞳を持つ綺麗な女の子が居た。
「(え、紅色!?不良さん!?)な、なんでしょうか?」
「驚かせてごめんなさい。貴方は涼騎冬夏さんでしょうか?」
「は、はい!この度転入してきた涼騎冬夏です!!」
ビシッと敬礼をして挨拶をした。 目の前の美人さんはクスクスと上品に笑っていて思わず見惚れる。
「あの……」
「あ、すみません。つい……」
コホンと咳払いをして美人さんは優しく微笑み、自己紹介をした。
「私は緋羽翼姫と言います。涼騎冬夏#さんを向かえにきさせていただきました」
「え、なんで……」
「私、貴方の転入するクラスの委員長なんです。この学校広いから迷うと思われるので」
あぁ、だから……
「だから紅色なのに不良じゃなくて優等生オーラが溢れかえってるんだ」
言った後に私はしまった!と自分の口を押さえた。緋羽さんはキョトンとしている。 いや、初対面の人に不良とは失礼にもほどがあるだろ!私!!
「ご、ごめんなさい!気にしないでください!」
「いえ、別に大丈夫ですけど……。この学園に入ったら私の色なんて気にならなくなりますよ」
「それってどういう」
意味ですか?と聞こうとしたが、シーッと指でされて黙った。
「百聞は一見にしかず、ですよ。とりあえず学園にはいりましょう」
「は、はい!」
上品な動きに見惚れながらも私は緋羽さんに着いていった。
私のクラスの委員長は優雅で美人な人でした。
(しかし本当の内面は外見とは程遠く、それを知るのはまだ先の話)
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