スケジュール管理/京流




夜、るきと寝る時間が被って。
お互い風呂も入って諸々終わらせてベッドに入る。
言うても、まだそこまで眠くないからベッドに座ったまま煙草吹かしてiPhoneを弄る。

暖房ついとるけど、加湿器もあるし大丈夫やろ。
そろそろ寝ようかなぁ。

るきもるきでベッドに寝転がって僕の方を向いて横になってiPhoneを操作しとった。

煙草をサイドテーブルの上の灰皿で揉み消して、寝ようかなって思った時にるきが何かを思い付いたかのように起き上がる。


「…京さん京さん、このアプリ入れてくれません?」
「なん」
「このスケジュール共有アプリです」
「……何するん」
「えーと、スケジュールを書き込むと、お互いの用件が見える感じになってます」
「ふーん」
「これだとお互いの仕事やツアー把握出来るんで、良くないですか?」


るきが見せて来たアプリ画面は、カレンダーみたいなヤツに仕事のスケジュールとかが書かれとるヤツやった。
何や結構仕事の予定詰まっとんな、こいつ。

まぁ僕もiPhoneのスケジュールに先の仕事日程とか書き込んだりするけど。


「だから、京さんも仕事の予定とか、ライブツアーとか書き込んで共有して欲しいなーって」
「…まぁ仕事の事はメモするけど、ライブは知らんで」
「あー…書き込むの面倒ですかね」
「ってか、今日は何処行くとか気にしとらんから。連れてかれるし」
「じゃ、ライブツアーは俺が書き込みしていいですか?」
「あー別にえぇで。設定もわからんし」


まぁ、いちいち相手に聞くよりは合理的かなって思って。
自分でやるんはめんどいし、るきにiPhoneを渡す。

るきは僕のiPhoneを慣れた様子で操作してった。


「じゃ、これインストールしますね」
「ん」


るきが画面を見せて来て、目当てのアプリをインストールして。
自分のiPhoneと見比べて何か色々いじっとった。


「……これで俺のと共有出来たんで。俺のスケジュールが見えるようになってます」
「あー…そうなん」
「ここをこうして…書き込むとスケジュールが入って、俺も見えるようになります」
「ふーん」


るきにiPhoneを返されて、見るとそこには僕のスケジュールじゃない事柄が書き込まれとって。
これるきのと間違えんのか。

るきが一緒に画面を覗き込んで、ボタン押しながら操作の方法言うて来るけど、何となくしかわからん。
まぁ使っとったらわかって来るか。


「またツアー日程決まったら京さんの分も書き込みますね」
「はいはい」
「で、行ける日は行くんで」
「お前…」
「気が向いたら添い寝に呼んで下さい」
「………」


まだライブ来る気か。

添い寝って。
お前来ると添い寝だけや済まんやん。


「まぁこれ、夫婦とかカップルとかがよく使うヤツなんですけど」
「………」
「京さんと共有するって、何かいいですね」
「消すか」
「嫌です。せっかく入れたのに」
「何かウザい」
「…まぁ、スケジュール筒抜けですからね。疚しい事は無いんですけど、京さんに把握されてるのって束縛されてるみたいで嬉しいですね」
「…何かアホなこと言うとる…」


嫌やわぁ、このマゾ。

言う事が頭おかしい。


るきのスケジュール見ると、何時スタジオとか歌録りとか、そんな事書いとる。

るきのが丸見えって事は、僕のもそうな訳で。
僕そんな趣味無いんやけど。


「オフとか被ったらいいなー」
「………」


まぁ、嬉しそうにその画面を見ながらまた布団に寝転がったるき見たら、別にえぇかって思ってまうんも。

相当頭おかしなっとるんちゃうかな、僕。


溜め息を吐いて、iPhoneをサイドテーブルに置く。


そのまま、寝転がるるきの顎を掴んで唇に噛み付いて。
身体にのし掛かると、iPhoneを離したるきの腕が僕の首に回る。

寝る前。

添い寝だけでは済まさへん、僕と、るき。




20201130

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