黙って僕に従え糞犬A※/玲+京流



京さんとルキと蟹鍋して飲んで、車では帰れなくなったからそのまま泊まらせて貰った夜。

風呂も部屋着も借りたりして。
ルキと普通に会話して、ソファの上で毛布にくるまって。
あ〜すぐ寝れるわ〜って思いながら目を閉じた。


のに。
何か少し乱暴な物音がして目を覚ます。

真っ暗な室内。
起き上がって音のする廊下に繋がるドアを見る。
そこから漏れる光で、廊下の電気が点いてるのがわかった。


『京さん、ごめんなさい…ッ、許して…!』


え、何なに。
ルキ、京さんとでも喧嘩したのか。

止めに入った方がいい?


ルキの悲痛にも似た声と共に、苛立ったような足音。
段々近付いて来ると思ったらすげぇ勢いでドアの開く音と、何かをガンッと叩くような音。

その瞬間、パッと室内が明るくなって。
眩しくて一瞬目を瞑り、手をかざす。


すぐに目が慣れて、そこで見たのは上半身裸のまま、京さんに腕を掴まれたルキと。
それを怒気を含んだ目で一瞥して、そのままこちらに視線を寄越す京さん。


え、マジで何。
俺何かしたっけ?


「ッ、京さん…!」


どうしたらいいのかわからず戸惑って固まったまま2人を見ていると、京さんがルキの腕を掴んだままこっちに向かって来た。
ルキは何とか腕を引いて抵抗するけれど、敵わずに引きずられている。


え、怖い。
何。
俺どうしたらいいの。
ここにいちゃいけない気がするんだけど。


ルキを引っ張って来て、京さんが俺の目の前まで来た。
無言で見下ろされる。

そのまま、乱暴にルキを投げつけられた。


「ッな…!?」
「…っ、」


咄嗟に受け止めたけど。
衝撃でソファのスプリングが軋む。

何、してんのこの人。


「3分」
「え、」


乱暴に扱われるルキを見て、抗議の声を上げようとしたら京さんの方が先に口を開いて。


「口で3分。こいつイカせろや、るき」
「…ッ」
「は!?」


京さんの言葉に腕の中で固まっていたルキがビクッと身体を震わせた。
俺のジャージを掴んだ手が震えている。

京さんは、そんな俺ら2人を見下ろして、ソファの前にあるガラステーブルの上に置かれた煙草とライターを手に取って。
慣れた手付きで煙草を吸い始める。


「……嫌です」
「へぇ」
「京さん、勘弁して下さい。ルキに乱暴な事しないで下さい」
「………」
「俺が邪魔だったんなら、タクシーでも何でも帰りますから」


ルキの絞り出すような拒否の声を聞いて我に返って。
そう言うと、京さんは長い溜め息と共に煙草の煙を吐き出す。

緊張する室内。
これをどう打開するか全然思い浮かばない。

イラついた顔で、目を細めて見下ろされる。


「…お前この状態で無事帰れると思っとん」
「…そ、れは…」
「京さんごめんなさい…」
「うん、えぇから。はよせぇ」
「………」
「るき」
「………」
「お前今日やけに反抗するなぁ。そないこいつが大事なん?」
「…っ、ちが、」
「ほな今日はこいつでえぇか」
「痛…!」
「っ京さん…!やめて下さい…ッ、やります、やりますから…!!」


空いている手で、ゆっくりと髪の毛を撫でられた瞬間。
思い切り髪の毛を掴まれて顔を上げさせられる。

痛みに顔を歪めながら、目の前には煙草を吸ってる京さん。

俯いたままだったルキが顔を上げて、京さんの身体にすがり付く。
そうすると、俺の髪を掴んだ手が離された。


「下も全部脱げよお前」
「…はい」
「……何で…」


何で?
何でこんな事するんだよ。


ルキは京さんの恋人なんだろ?

自分の恋人にこんな事させるなんて、ありえねぇだろ。


呆然としながら、目の前で裸になったルキに何て声をかけていいかわからない。

ライブの楽屋で着替えは普通にするけど、見たりする訳じゃねーし。

散々、ルキが自慢して来たタトゥーが入った腕。
俺の目の前に膝まづいて、ルキの手がジャージ越しに俺の太股を撫でた。


「…れいた、ごめん」
「え、」
「…目、瞑ってて。すぐ終わるから」
「ちょ、っと、待てって…!」
「お願い。好きな女でも想像してて」
「ルキ…ッ」


俺の方を一切見ずに、そう言うとルキは制止しようとする俺の手を払って。
借りたジャージを下ろして下着の中から俺自身を取り出した。


正直、アルコールも入ってるしフェラで3分とかイッた事が無いから。
京さんの提示した時間は明らかに無理があるだろ。

逃げたい。
けど、俺がいなくなった後のルキを考えると怖い。
無理だろ。

京さんは、じっとルキの行動を見下ろしていて。
短くなった煙草をテーブルの上の灰皿に押し付けた。


萎えたソレをゆっくり指で撫でて、丁寧にしごく。
刺激されてすぐに硬くなって。
そうしたら、ぬるっとした感触と共に柔らかくて温かい咥内に入り込んでいった。


「…ぅわ…ッ、ちょっと、待って…っルキ…!」
「ん…ッ」


ルキが自分の髪を耳にかけて、多分最初から本気を出して俺を追い込んでいこうとするのがわかる。

ルキに、男にこんな事されるのは初めてだけど、こんなに違いがあるのか。
同じ男だからか、気持ちいい所のポイントをよくわかってる。

柔らかい唇と舌でしごかれて、吸い付きながら頭を上下に動かすルキ。

喉の奥が開かれて深くまで咥えるその感覚に。

息が段々荒くなって来ながら、京さんに仕込まれたであろうルキのテクに翻弄されていく。

ぐちゅぐちゅと唾液が混ざる音がシンとした室内に響き渡っていたけど。
いつの間にか2本目の煙草を吸って、無表情で見下ろしていた京さんが、おもむろにガラステーブルの下から何かを取り出した。

形的にローションっぽい。
どっから出て来るんだ、とか変な所が気になったけど。


「はい、3分。ケツ上げろるき」
「…ッ、」


座ったまま俺にフェラしていたルキが、一瞬動きを止める。
ぬるーっと口から俺のを出して、手だしごきながら息を整え口元の涎を拭っていた。


「はよぉ。続けろ」
「…はぃ、」


もう京さんに逆らおうとしないルキは、素直に四つん這いになりながらまた俺のを咥えた。

何で。
そんな疑問しか出て来ない。


京さんは、ルキの事好きじゃねぇのかよ。



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