黙って僕に従え糞犬@※/玲+京流



前に京さんに蟹鍋したいって言ったら、OK貰えたから早速通販で蟹頼んで。
京さんと予定合わせるのとかあるから、どうしても冷凍物になるんだけど、身が大きくて美味しそうなのが来た。

れいたも呼んでいいって言われたし、車出してもらって鍋の食材の買い出し行って。
ついでにお酒も飲むかなって少しだけ買ってみた。
俺はチューハイぐらいしか無理だけど。

蟹鍋って普通の鍋の具に蟹入れるのかと思って、野菜とか色々突っ込んだら大量に出来たけど、男3人いたらどうにかなるだろ。


「………」
「………」
「………」
「…蟹って何で無言で食べるんですかね」
「…身ぃほぐすんに時間かかるからちゃう」
「…殻剥くのに真剣になるよな」


俺と京さんとれいたで鍋囲って、無言で黙々と蟹を食べる。
一応切れ目とか入ってるし、引っ張ったら綺麗に剥けたりもするんだけど。

ぷりぷりの身があって美味しいし、たまには蟹もいいなー。
家ですると鍋しか思い付かねぇんだけど、食べに行くのもいいかも。

京さんはちびちびとグラスに注いだビールを飲みながら、黙々と蟹を剥いて食べてってしてたけど、一段落したのか手が止まって残ったビールを飲み干した。


「京さんおかわりいります?」
「ん」
「れいちゃんは?」
「あー、また烏龍茶で」
「なん、れいた君飲まんの」
「車で来てるんで、すみません」
「えぇやろ別に。泊まったら」
「や、さすがにそれは悪い気がして」
「僕が飲め言うとるんやけど?」
「…いただきます」
「れいちゃん、着替えのジャージならいっぱいあるからね」
「そりゃどうも」


れいたは車だったから最初から烏龍茶しか出して無かったんだけど、京さんの圧に負けて飲む事に決めたらしい。

冷蔵庫から新しいビールを出して、れいた用のグラスを出して。
京さんとれいたにビールを注ぐ。

京さん何だかんだれいたの事は気に入ってるんだろうな。
自分の恋人にメンバー兼友人とが仲良くなるのは嬉しい事なんだけど。


グラスに注いだビールを、れいたは喉を鳴らしながら飲み干した。


「何や、結構飲めるやん」
「…ッ、あーやっぱ美味いっすね」
「れいちゃんおかわりあるから沢山飲んでね」
「そんなに飲んだら潰れるだろー」
「えぇやん、飲んだら」
「勘弁して下さい…」


俺は普通にチューハイ飲んで、2人の様子を眺める。


あー何か、幸せ。

こう言うの。



















「れいちゃん、ごめんね、無理矢理引き止めて」
「あー別にいいよ。京さんと話すんのも楽しいしな」
「そっか、よかった。れいちゃんジャージ似合うね」
「一時期ルキがめちゃくちゃ着てたよなこれ」
「京さんが着てたからね」


あれから結構飲んだりして、〆の雑炊作って食べて。
色んな話をして腹いっぱいになったら夜中近く。

明日も3人共仕事だし、もう寝るかって事でお開きになった。


京さんが風呂に入ってる間に、先に風呂に入って俺の持ってたジャージに着替えたれいたに予備の毛布を渡す。
寝る所がソファしか無いんだけど。
広いし座り心地はいいからまだマシだとは思う。


昔はよくれいたんちに泊まったりしてたんだけど、それも全然無くなって何だか懐かしい。

鍋の片付けはほとんど終わったし、キッチンも綺麗にしたから後は俺が風呂に入って寝るだけ。


「冷蔵庫に水とか入ってるし、勝手に飲んでいいから」
「おぅ、サンキュー。まぁもう眠ィからすぐ寝ると思う」
「はは、じゃ、おやすみ、れいちゃん」
「おやすみー、ルキ」


れいたがソファに寝転がって毛布を被るのを見て。
冷蔵庫からペットボトルの水を1本手に取って、照明ボタンを押して部屋を暗くしてリビングから出て行くと、ちょうど京さんが風呂から出て来た所だった。


「れいた君寝たん」
「はい、眠いって言ってたんで」
「ふーん」
「じゃぁ、俺も風呂入って来ますね」
「ん」


風呂上がりのTシャツを着た京さん。
ただそれだけなのに、所々見える刺青が格好良くて、好き。
手に持ってた水を京さんに渡すとそのまま寝室へと消えて行った。















風呂に入って、スキンケアして髪の毛も乾かして。
寝る準備万端にしてから俺も寝室へ向かう。

薄暗くした室内で、ベッドには京さんが寝転がってる所が盛り上がってて。
サイドテーブルに飲みかけの水が置いてあったから、それを手にして少しだけ飲んだ。


京さんの隣、いつもの定位置に潜り込んで俯せで寝る京さんの方に寄ってく。
まだ寝て無かったらしい京さんは目を開けて、顔半分だけ枕に埋めた状態で俺の方を見た。


「京さん、今日は楽しかったですね」
「…ん、」
「れいちゃん…、れいたも楽しかったって。良かったです」
「…ふーん」
「京さん、れいたにめちゃくちゃお酒飲ませてましたよね」
「………」
「そのままれいた潰されるのかと思いましたよ〜。でも今日、」
「ちょぉ、黙り」
「え、」


喋っていると、京さんが身体を起こして覆い被さって来て。
噛み付くように唇を塞がれた。

何度も角度を変えて、深くなっていく口付けに京さんの首に腕を回す。
風呂に入って、同じ匂いがするその身体。


愛しい。
好き。


キスに酔いしれていると、京さんの手が俺のTシャツの中に入り込んで来て。
そのまま服を捲られていく感覚にビクッと身体を震わせる。


「や、京さん、待って…っ」
「なん」
「え、するん、ですか…?」
「うん」
「え、でも、れいたが…」
「寝とるんやろ」
「でも…ッ」


さすがにリビングと寝室は近い。
声が聞こえたら恥ずかしいなんてモンじゃない。

京さんの行為は止まる事なく、上半身を脱がされて更に焦る。
さすがに昔から知ってるメンバーに、喘ぎ声を聞かせる訳にはいかない。

待って、と制止するように京さんの肩に腕を突っぱねる。


「京さん…っ、れいたに聞かれたら…!」
「ッさいわボケ!!誰を拒否っとんやお前!!」
「……ッ、」
「れいたれいたと、えぇ度胸やなァ!!」
「ごめ…ッなさ…!!痛…っ」


手を掴まれ、ベッドに押さえ付けられて。
京さんの怒号が部屋に響いた。

ギリギリ掴まれた手首が痛い。
何より、京さんを怒らせた。


舌打ちした京さんが乱暴に立ち上がると、俺の腕を掴んだままベッドから降りる。
そのまま引っ張られて転げるようにつられてベッドから降りると、俺の事はお構い無しに歩いて寝室のドアを開けた。

上半身を脱がされてるから、空調を整えた寝室から出ると一気に鳥肌が立った。


「京さん…!?」
「………」


そのままリビングのドアへと無言で歩いて行く京さんに掴まれた手は抵抗してもびくともせず、京さんの行動に訳がわからず泣きそうになる。

でも、リビングにはれいたがいる。
嫌な予感がして、ついて行きたくない。
けど、京さんの力には勝てない。


「京さん、ごめんなさい…ッ、許して…!」
「黙れ」


乱暴にリビングに繋がるドアを開け、壁についた照明のスイッチをガンッと押すと。
リビングが一気に明るくなる。


多分、俺らの声が聞こえていたれいたが身体を起こして驚いた顔でこっちを見ていたのが視界に入って。


あーもう。

れいたごめん。




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