るきA※/京流



るきがシャワー浴びた後、自分も浴室に入ってシャワーを浴びる。

適当に身体を拭いて、浴室から出るとるきが自分で持って来たであろうスウェットで、ソファに座って煙草を吸いながら窓の外を見よった。


「あ、京さん」


僕の姿を確認して、灰皿で煙草を揉み消す。


あの頃とは、随分違う。
るきが、僕の部屋でリラックスして勝手に煙草吸うなんて無かった。

どうしても、遠征先は大分昔の思い出が色濃くなる。


暑いから、下だけスウェットを着て上半身は裸のまま。

備え付けの冷蔵庫の中から水を取り出して一口飲む。
それをるきに差し出すと、受け取ったるきも一口。


るきの向かいのソファに座る。
携帯を取って、連絡の確認をして。

時間は、るきの誕生日まで数分。


「京さん、我儘言ってすみません」
「別に。るきが我儘なんは知っとるし」
「えー、そんな我儘言ってます?」
「自覚無しか」
「いえいえ、有り難いと思ってます」


笑ったるきが、自分のiPhoneを確認して「あ、日付変わった」と呟いた。


「一歩死に近付いたな」
「京さんに少し近付きましたね」
「すぐ離れたるわ」
「あはは。京都、雪じゃないといいですね」


特に変わらん、普通の日。
月が変わっただけ。

やけど、目の前のるきは嬉しそうに笑う。


「………満足か」
「はい。でも京さんから誕生日プレゼント下さい」
「………何も用意してないで」
「京さんがいいんで」
「は、ベタでキモいな」
「京さんにそう言われるかなとは思ったんですけど」


るきが立ち上がって、座っとる僕の方に近付いて来て僕の足の間に跪く。

るきの手が僕の太股にかかる。


「やっぱ後にも先にも、俺が欲しいのは京さんなんで」
「ふーん」
「ヤバい。かっこいい…京さん」


半ば熱に浮かされた様に呟いたるきは、伸びをして僕の虎の刺青辺りに唇を寄せる。

るきの舌が、肌を這う感覚。


中途半端に乾かした髪に指を絡めて、るきの頭を撫でる。

そのまま髪の毛を掴んで、るきの顔を身体から離す。
一瞬痛そうに顔を歪めて僕を見上げた。


「する前に言う事あるやろ」
「……しゃぶらせて下さい。京さんが欲しいです」
「ん。ちゃんとやれや」
「有難う御座います」


髪から手を離すと、るきは俯いて僕の腹筋にまた吸い付く。

柔らかく手で自身を刺激して来て、緩やかな快感に目を細めてるきを見下ろす。


段々とそれが下に移動して、スウェットをずらして。
僕のを取り出すと躊躇いも無く口に咥えた。

根本を手で扱きながら、深く咥え込んで、ゆっくりとしたストロークで舌と唇を動かす。


長年やっとるから、僕好みのやり方で。


段々硬度が増して来ると、手を使わずに頭を動かして必死に吸い付くその姿を見下ろして。
髪を撫でると見上げた瞳が嬉しそうに笑った。

手に少し力を込めて押し付けると、るきは太股を掴んだ手に力が入る。

それでも、逆らわずに言わんでも喉を開いて奥まで咥える。


頭を押さえて動かすと、るきは苦しそうな顔をしながらも一生懸命吸い付いて来る。
時折、えづきそうになる喉の痙攣が気持ちえぇ。


口から唾液を垂らして、ぐちゃぐちゃと水音をさせて頭を動かした。


「…るき、ローションは」
「ん…ッ、大丈夫、さっき、洗浄したんで」
「…何やの、犯される気満々やったん」
「あ…っ」


また咥えようとしたるきの頭を押し退けると、物欲しそうな声を出してるきが見上げた。

まだ何も、そう言う事するなんて雰囲気でもない時に、そんな事考えて自分で洗浄するとか。
どんだけスキモンやねん。


「ベッドに行け」
「ッ、はい」


立ち上がって近くのベッドへ行くるきの後に立って。
ベッドに突き飛ばす様に組み敷く。


「あ…っ、京さん…!」


無理矢理の様に着とるスウェットを脱がせると、被虐心を煽られたるきは期待した目で僕を見上げて。

自分も煩わしいから全部脱ぎ去って。

るきの足を開かせて間に身体を挟む。


僕のを舐めとるだけで勃ち上がったるき自身を見下ろして、後ろに手を伸ばす。


「あっ、あぁ…ッ」
「煩い。ここ何処やと思っとん。隣に聞こえるで」
「……っ」


遠慮無く中指を潜り込ませると、本人が言うとった様に柔らかく解れたソコ。

喘ぐるきを一瞥して、指をもう1本増やして内部を刺激する。


るきは自分の口に手を添えて声を出すのを我慢しとった。


「ん…ッ、んん―――!!」
「あぁ、今日誕生日やったな。ほな焦らさずにちゃんとイかしたるから」
「………ッあ、」


知り尽くした、るきのイイ所を指で突いたると、るきは頭を振って身体を震わせる。
指を引き抜いて、僕自身の先端をソコに添えて。


「えぇ子で声、我慢するんやで?バレて僕に迷惑かけたいなら別やけど」
「――――ッ!!」


わざと意地悪く言うて、るきの足を思い切り開かせて一気に貫いた。

泣きそうな、でも快感に流されるるきの顔は僕の加虐心を満たすには充分やった。






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