年越し数時間前/敏京
「あーさっむ!寒すぎありえん!」
「京君、暖房つけて、暖房」
「リモコン何処」
「そこら辺に無いー?」
「あ、あった」
「京君、アイス今食べる?」
「うん」
京君と仕事帰りに年越し蕎麦を食べて俺んちに帰宅。
年末ギリギリまで仕事ってどうよって思ったけど、休みとしても今は寝るだけな気がするしね。
ま、京君と年越し蕎麦食べて一緒に年越し出来るから、何でもいいんだけど。
ちょっと遅くなって、あと数時間で0時になるし。
京君が先に部屋に入って暖房をつける後ろ姿を見ながらコンビニで色々買った袋をテーブルに置く。
京君は上着を脱いで、炬燵に入ってテーブルに置いたコンビニ袋を漁ってアイスを取り出した。
そんな京君の隣、炬燵に一緒に入るには狭いけど自分も座る。
「なん、狭いんやけど」
「いいじゃんいいじゃん。年越しまでもうすぐだしー。せっかくだしイチャイチャしてようよー」
「ウザい」
「またまたそんな事言っちゃってー」
「何かムカつく」
京君はアイスを食べながら俺を見て、しっしっと手で仕草をした。
けど、とっち負けない。
京君がツンデレなのは、いつもの事だから!!
コンビニ袋から、お互いが選んだ飲み物やお菓子を取り出して、テーブルに並べる。
その中から俺は酎ハイを手に取って開けて一口飲む。
うん、美味しい。
炬燵はあったかいし、暖房も効いて来たし、今年も終わりの日に京君と2人でマッタリ過ごせるのは嬉しいな。
京君はテレビをつけて適当にチャンネルを回しながら、黙々とアイスを食べ続けた。
食べ終わると、次はポテトチップスへと手を伸ばした。
あ、テレビは観るモノ無かったらしく、某歌番組にしてた。
京君が珍しい。
「何か蕎麦だけやとすぐ腹減るなぁ」
「あーそうかも。何で年越し蕎麦なんだろうね」
「知らん」
「じゃ、京君、来年は敏弥君とどんな1年にしたいかな?」
「別に普通」
「とっちはー、京君とまたラブラブに過ごしてヤラしい事いっぱいしたいなっ」
「もう酔ったん?頭おかしなったん?」
「とっちはいつも真剣です」
「あぁ、元から頭おかしいんや」
呆れた顔でポテトチップスをパリパリ食べる京君は、小動物みたいで可愛い。
だって京君の事好きなんだもん。
来年と言わず、ずっとずっとラブラブイチャイチャで過ごしたいじゃん?
京君の肩に腕を回して自分に引き寄せて頬っぺたにキスをする。
「はいはい、わかったから大人しいにしとき?」
そう言った京君は、俺の口にポテトチップスを突っ込んで来たから、それを食べる。
酎ハイを飲んでもっと、って京君にねだる。
「京君、もっと『あーん』して!」
「嫌や僕の分無くなるやん」
「じゃー他のヤツ!」
「自分で食えば」
「京君の『あーん』じゃなきゃ食べらんなーい」
「我儘言うなや、アホか」
「ねー京くーん」
「あ"ーもう、ほんっまコイツうざい」
「わーい」
グダグタ言って京君に絡んでたら、業を煮やした京君がまたポテトチップスを『あーん』してくれた。
何だかんだで、京君は俺に甘い事、わかってるからね!
「オラ、もっと食え」
「ちょ、そん、いらな、」
「はい、敏弥、あーん」
「はいっ!」
「はは、アホやー」
楽しそうに笑う京君に大人しく口を開ける。
可愛いなぁ。
次々俺の口に突っ込んで来るポテトチップスをくわえたまま、京君の頭を掴んでキスする勢いで口を近づけると、京君は驚いて勢いでポテトチップスをかじった。
そしたら、ポテトチップス攻撃が止んだ。
残念。
「何すんねんお前」
「あは。来年も、こんな感じでバカップルしようね!」
「普通やアカンのかいな…」
普通以上に好きなんだから、仕方無い。
来年も宜しくね、京君。
20131231
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