垣間見える日常/京流+薫




何となく、気分転換に空き時間外に出た。
ずっと地下活動やったから身体が鈍っとるような気ぃするなーとか思いつつ、コンビニへと足を向けると、意外な人物が後を追って来た。


「何や、京君もコンビニ行くん?」
「疲れた」
「疲れた時には甘いモンやでー」
「……」


ホンマに若干疲れた顔の京君。
一言二言、下らへん会話をしつついつもの近くのコンビニへ。

煙草と缶コーヒー…。
残りの奴等にも何か買ってったろか、適当に。


数点、商品を見繕ってカゴに入れる。
さっさと京君はお茶とのど飴を取ってった。


「…どしたん?京君」
「いや、」


自分も一通り見て、レジに行こうかと思ったら、京君がスイーツのコーナーで立ち止まってじっと何か見とった。
視線の先を何となく見てみると、ポップみたく飾られとる某キャラクターのがあって。

ポイント貯めて景品と交換して貰うってヤツ。


「何や京君、こう言うん興味あるん?意外やん」
「いや、るきが、」
「え?ルキ君?」
「いっつもこれ系2個ずつ貰って来るんやけど」
「そうなん、ルキ君こう言うん好きなんやなぁ。女子が喜びそうやのに」
「ホンマやで。あんま気にせんかったんやけど、これか」
「でも2個貰うとか、相当スイーツ食わなアカンやろ」
「最初はめっちゃ買っとったけど、最近は仕事場で貰うらしいで」
「あぁー…何かルキ君て結構しっかりしてそうやもんな」
「どこがやねん」
「つーか、こう言う貰ってどなんするん?使うん?」
「……」
「え、使うんや。マジで?」
「っさいな。どうでもえぇやろそんなん」


溜め息を吐いて、頭を掻いた京君。
嫌そうな表情しとっても、何だかんだルキ君のペースに乗せられとんやろなって思うんが、何か微笑ましかった。


京君は興味ないヤツには冷たかったりするけど、自分の懐に入れた相手には優しかったりするし。
京君なりに。


「ほなこれ買おか。ルキ君にポイントシールあげたらえぇやん」
「はぁ?絶対嫌やし」


適当なスイーツをカゴに入れてそう言うと、京君は眉を寄せてレジへと向かった。


まぁ俺もキャラ物は彼女が買ったりして、使わされる事もあるんやけど。
部屋ん中だけはしゃーないかって思うし。

そんな事を京君もやっとんかと思うと、何や意外にルキ君の事好きなんやなぁって思う。


ぼんやりとそんな事を考えながら、俺ももう一つのレジで会計。
ついでに煙草も買う。


先にコンビニを出た京君の背中を見つけて、少し歩いて隣に並ぶ。


「ルキ君とは仲えぇの」
「…別に、普通ちゃう」
「ほうか。ほなら良かった」
「……」
「またルキ君に会いたいなー」
「……」
「あっち忙しいん?」
「…まぁ、それなりに」
「ルキ君も頑張っとんやなぁ」
「…来たら、喜ぶんやない。あのアホの事やから」
「あれ、行ってえぇの」
「じゃぁ来んなや」
「いやいやいや、せっかくやから。ルキ君とも話したいし」
「ふーん。別にるきと話してもなぁ…煩いだけやで。マシンガントークやし」
「それ会話成立しとんの?」
「流しとってあんま聞いてないから知らん」
「はは」


でもまぁ、続いとんやからそれはそれで2人の間で成立しとる事なんやろな。

実物会った事は数える程度やし、雑誌とかで見るんは作られた人物やし。
どうなっとんか気になるけど、仲良さそうでよかった。
ホンマに。


「最近のルキ君の写メとか無いん?」
「…あー…相変わらず撮影ん時とかは送って来とるで。祭りん時とかめっちゃ写メっとったし」
「え、祭り行ったん?えぇなー」
「何がやねん人混み酷いし暑いし最悪やったわ」
「でもルキ君が行きたい言うて行ったったんやろ」
「……」


ちょっと表情を歪めて、これ以上は墓穴掘る事に気付いたんか、俺から視線を逸らした。

かわえぇなぁ、京君は。


確認みたいな事聞いて悪いけど。
やっぱ平穏におって欲しいしな、京君には。

仲良かったら、安心するわ。




20120908



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