興じる遊び/敏京
「京くーん、暇!」
「うん」
「うん、じゃねー!ねー、ゲームやめて俺と遊ぼうよー」
「嫌」
「酷ーい!せめて対戦ゲームにしようよ。俺やる事ない」
「やって今やっとかなやる時間ないし。せっかく新しく買ったんやから」
「けちー」
やっとオフが来て、引き込もって新しく買ったゲームやろうとしとったんやけど。
当たり前の様に敏弥が僕んちに来て。
ずーっとゲーム始めた僕の後ろで、僕の身体を足で挟んだ状態の敏弥は新しく買った漫画読んだり雑誌読んだりしとったんやけど。
飽きたらしい敏弥は、敏弥にもたれかかって身体を預けとった僕を抱き締めて来やがった。
ちょっと油断しとったからビックリしてコントローラー落としそうになったやんかふざけんな。
さっきまで大人しくしとったんやから、大人しくしとけ言うねん。
敏弥を無視して、ゲームを進めていっとったら。
敏弥は僕の後ろで僕にくっついたまま腕を伸ばしてテーブルの上に乱雑に置かれたコンビニの袋に手を伸ばした。
多分、昨日菓子とか大量に買ったヤツ。
何か食べようとしとったんか、敏弥は袋ん中を漁って。
「敏弥、チョコ取って」
「チロル?」
「何でもえぇ」
「んー」
ガサガサと袋ん中に手を突っ込んでチョコを何個か出した敏弥。
僕を抱き締めとる敏弥が僕の腹の辺りでチョコの包装を解いて、僕の口元に持って来た。
素直に口を開けると、チョコを入れられる。
甘い味が広がると、敏弥は俺の髪を撫でる。
「あは。かーわいい」
「煩い」
「はい、あーん」
「ん」
「…やっぱ可愛い。大好き」
「可愛い言うなや」
「ファンの子が言うのはダメだけど、俺が言うのはいいでしょ」
「…自惚れんな、アホ」
何個か口元にチョコを差し出されて、それを食べると敏弥は僕をきつく抱き締めて来た。
懲りもせず可愛い可愛いって、頭湧いとんちゃうか。
「まだいる?」
「他何があるん」
「うーん。結構駄菓子も買ったよねぇ…ラムネとか…ポテトチップス…と、アメとか」
「ほなそれ」
「チュッパチャップスだよ?」
「うん」
画面から目を離さんと、敏弥と会話しとったら。
また敏弥が僕の前で包装を解いて、僕の唇に押し付けて来たから、それを舐めて口に含む。
コーラ味のソレが口内に広がった。
「…敏弥」
「んー?」
「ちょぉ、やめてくれへん?」
「何がー?」
「鬱陶しいんやけど!」
「あはは」
棒付きのアメやから、咥えてから敏弥がその棒を持って僕の口ん中で動かして来やがった。
口ん中で好き勝手に動くアメに眉を寄せて動く棒を歯で噛んで止めて、笑う敏弥を振り向いて睨み付ける。
ゲーム画面はちゃんとセーブして。
敏弥はにっこり笑って悪びれる様子もなく。
「疑似フェラっぽくて何かいいじゃん」
「ようないわ!変態!」
「あはは〜。練習練習」
「こんな丸いチンコある訳ないやろ!アホか!」
言うて、口ん中に入っとったアメを棒を掴んで敏弥の口に突っ込む。
変態のやる事はわからんわ。
「これ甘いねー」
そんな事を言いながら敏弥は僕が舐めよったコーラ味の棒付きアメを舐めて。
多分、さっきの言葉もあって、わざとらしく舐める所がムカつく。
嫌やわー、この変態。
気分的に口直ししようと思って、コンビニの袋を漁る。
ポッキーにしよか。
袋から出して箱を開けると、にっこり笑う敏弥が僕を見とって。
何?って視線を向けると、口に含んどったアメをテーブルの上の灰皿に置いて、顎を固定されてキスして来た。
お互い、コーラ味。
「やっとこっち向いたー」
「…アホか」
ガキっぽい事すんなやって思うしムカつくけど。
嬉しそうな敏弥の顔を見ると、全部許してしまう。
ゲームの続き、する気にならんやんか、アホ。
終
20120531
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