傍観者Uさん/京流+玲+麗




まとまった3日間のオフが貰えて、明日から仕事だーって最終日。
仕事でも会ってるけど、仕事場で会うから会わないってのが理由にならない幼馴染みを誘って、近場の居酒屋で夜ご飯。

二つ返事でOKもらって、お互い飲もうって事でタクシーで来て。
他愛無い話を繰り返す。


幼馴染みこと、れいたと、初めの一杯は生ビールを頼んで乾杯して後は適当にツマミを頼む。
まぁ、ほとんど飲むのは俺の方なんだけどね。


ガヤガヤする店内で向かい合ってビールを飲む。


「れいたオフどうしてたのー」
「そう言う麗は何してたんだよ」
「俺ー?取り敢えず寝倒してダチと飯行ったり遊んだり曲作ったり、そんな感じ」
「俺はまぁ、女来てたんだけど、2日目にルキに呼び出されて、京さんと3人で花見行ったりした」
「えぇっ、マージーで?京さんて花見行くの!?」
「着眼点そこかよ。行った行った。写メ撮ったし。見る?」
「見る見る」


れいたは携帯を操作して、俺に画面を向けて来た。
から、それを覗き込むと桜が咲きまくってる中に異様に似合わない男2人の背中が写り込んでて。


「え、これルキと京さん?」
「そー」
「桜似合わねぇー」
「俺ら3人浮いてた気がする」
「そりゃそうだろー。ウケる」


れいたから携帯を借りて、他の画像も見てみる。
何枚かある画像。
ルキか京さんが写り込んでたり。


「そんなに写メったの?」
「ま、アシになってカメラマン役やりましたから」
「はは、れいたルキに甘いよねー」
「るせぇ」
「ま、ルキって我儘聞いてあげたくなる何かがあるよね」
「いやでも目の前でイチャイチャされてみろよ。こっちはたまったモンじゃねーし」
「お疲れ〜。でも何だかんだ仲良いんだね、京さんが花見行くとか、イメージ全然無いのに」
「俺もビックリしたけど。…仲は良いよ。何つーか、京さんあんま喋らなくてルキばっかほとんど喋ってんのに、聞いてやってんだなーとか」
「そっかー。よかった」
「うん」


サンキュって言って、れいたに携帯を返す。

れいたとルキは馬が合うのか、結構ガッツリ仲良いから。
多分、過去に俺の知らないルキも見て来たんだろうし『ルキの逃げ場になりたいから反対はしない』って言った時の顔は辛そうだったけど。

今は笑いながらルキの話を出来るって事は、いい事だよね。


「でも寂しいなー。俺だってルキ可愛いって思って可愛がって来たのに、小動物的な意味で」
「それ本人聞いたら怒るだろ。うっさんライブでもルキと絡むし、普通に仲良いじゃん」
「でも京さんと一緒になってからは付き合いほとんどないよー」
「それはまぁ、アイツは京さん大好きだから」
「ほんとだよー。入り込む隙無いよね」
「やー、あのバカップル具合見たら入り込もうとするヤツ勇者だろ」
「え、そんな凄いの?逆に見てみたいかもー」


れいたが笑いながらそう言うから、逆にどんなのか気になるじゃん。

でもまぁ、律儀な幼馴染みを見てたら大変そうだから、こうして話を聞くぐらいがちょうどいいかもしんない。


唐揚げを箸で摘まんで食べながら、ぼんやりとそんな事を思う。


「まぁ、時々心配な事もあるけど仲良さそうでよかったね」
「あー…うん、一応…?」
「何それ。何が他にあんの?」
「よくわかんね。やっぱ京さんって俺の中でとっつきにくい印象あるしなぁ。オーラ半端ねーよ」
「でも京さんがフレンドリーだったらそれはそれでビックリだよ、俺」
「そりゃそうだな」
「前見た時は思ったより物腰柔らかい人だなーとは思ったけど」
「あーうん、確かに静かに喋る人かも」


少しだけ考える様に眉を寄せたれいたは、すぐ笑って。
多分色々あるんだろうけど、言いたくないなら無理矢理聞き出す事はしないし。


ルキも大事だけど、れいたも大事な幼馴染みだからね。


そんな事を思いながら、次何頼もうかなーってメニューに手を伸ばす。

俺らもメンバーで花見やればよかったねーとか。
そんな他愛ない話。


バカップルのお花見話はハタから見たら超面白いんだけどね。




20120510



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