被害者Rさん/京流+玲
どうも、れいたです。
仕事終わった後にルキと飯食いに行く事になって車で走ってたんだけど。
ルキの携帯が鳴って、何故か仕事終わりの京さんも交えての食事になりました。
強制的に京さん所のスタジオに迎えに行く事になって。
まールキの嬉しそうな顔見てると嫌とも言えねーし。
言う訳もねーけど。
いや、ルキと京さんを店に送って帰ろうかとも思ったんだけど、何故か3人で飯食う事に。
いや、何回か京さんに会った事あるし飯食った事もあるから、いいけど。
いいんだけど。
でもなぁ。
「京さん、何飲みます?」
「んー」
「最近ってお洒落なお酒ありますよね。このフルーツ丸ごと入ってんのとか美味しそう」
「ほなそれ頼んだら」
「えー…どうしよっかな」
「これでえぇやん。これ飲めや」
「ちょ、京さんこれ苺が丸ごと入ってますよ!?俺苺食えねーのに!」
「うん、やからやろ」
「ひでー!じゃ、こっちの蜜柑がいいです」
「何や、つまらん奴やなぁ」
「京さん何にするんですか?」
「あー…この黒ビールのグラスにしよかな」
「ビール美味しいって感じ無いんすけど。しかも黒ビールって味違うんですか?」
「るきがお子様やからやない?」
「……」
取り敢えず、3人で来たのは半個室になってる居酒屋で。
結構客が入ってて、多少の会話なら掻き消えてしまいそうな喧騒の中。
俺の向かい側に座った、ルキと京さんは1つのメニューを一緒に見ながらイチャイチャしてた。
目の前でこう言うのやられたら、こっちが居たたまれないっつーか、苦笑いするしかねーよ。
頼むから、そう言うのは2人でやって下さい。
俺を巻き込まないで下さい。
京さんの方に視線を向けて、めちゃくちゃ嬉しそうに笑うルキを咎められる筈もなく。
若干溜め息を吐いて、メニューを見る。
どの道、ルキを送るつもりだったからアルコールは飲まねーし。
フードメニューに視線を巡らせる。
「れいた、注文決まった?」
「あー、うん。料理適当に頼んでいい?」
「いいよ。俺これ食べたいから言って。後これ。京さんは?」
「これとこれ」
「だって、宜しく」
「はいはい」
ルキと京さんがメニューを指差した品物を覚えて、店員を呼び出す。
3人分の飲み物と料理を注文して、メニューを片付けた。
京さんが煙草を取り出して、口に咥えると同時にルキがライターを差し出す。
よく調教されている事で。
まぁ、バンド内一我儘なルキが、ここまでしてんのはある意味貴重だし。
それはそれで楽しめるかもしれない。
終始ルキが喋って(仕事の休憩中でもずっと喋ってんのに)煙草を吸いながら相槌打つ京さんと俺。
若干、京さんの方に身体が向いてるルキ。
時々こっちにも視線を向けて話をして。
目の前だから、2人の姿がよく見えんのね。
京さんって、結構顔じっと見て話する人なんだなーとか、そんな事を思ったり。
こうして見るとやっぱ、普通の人だな。
ライブ中に纏う空気と全然違う。
柔らかい感じ。
「あ、飲み物来た」
ルキが喋るのを止めて、3人分の飲み物を各自の前へと配置する。
それを持って、軽くグラスを合わせた。
「じゃ、お疲れ様ー」
「お疲れー」
軽いガラス音をさせて乾杯して、一口飲む。
「じゃ、京さん一口下さい」
「一口と言わず全部飲めば。一気せぇよ」
「ちょ、その飲み会のノリいりませんからね!やめて下さいよ!」
「やって下さいってフリか」
「無理無理無理」
「あ゛?僕の酒が飲めんと」
「だからそれをやめて下さい」
そんなやり取りをしながら、ルキが京さんからグラスを受け取って一口飲んで顔をしかめた。
ルキ甘いカクテルぐらいしか飲まねーしなー。
京さんはルキが頼んだ蜜柑が丸ごと入ってるのを一口飲む。
何かコーラな自分がちょっと悔しい気がするんだけど。
糞。
酒飲んでこのバカップル置いて代行で帰りてー。
ルキのカクテルに付いてた2本の細いストローで中の丸ごと蜜柑を刺した京さん。
「るき、口開けろ」
「いやいやいやいや、それ突っ込む気ですよね、どう考えても」
「えぇから口開けろ」
「やですよ!どうせなら京さんので口塞がれる方がいいです!」
「ぶ…ッ」
「お前下ネタとか…引くわー」
「だって、」
「罰としてビール一気か、これ一口で食うか」
「えー…」
「選ばんかったら両方」
「もうルキ両方やれよ」
「な、れいたお前京さんの味方かよ」
ルキの発言に思わずコーラを吹き出しそうになった。
鼻に入りそうだっただろうが。
ルキから京さんとの情事事聞いたりしてたけど、普段からそんなノリなんだな、ルキ。
もうお前、一気させられて潰れちまえ。
こんなバカップルの世話は大変なんですよ。
…まぁ、楽しいっちゃー楽しいけど。
ルキの一方通行じゃねーのが、確認出来るから。
終
20120426
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