るき@京虜(京の嫁)/京流
バレンタインの時にお菓子作り結構したら、作るのにハマッちゃって。
なかなか暇がねーから作る時間ねーけど。
今回作ったチーズケーキは上手く出来たなーって思う。
バレンタインの時はチョコ菓子だったしな。
夜ご飯を京さんと食べて、デザート食べるかって聞いたら食べるって言われたから。
京さんと自分の分のケーキと飲み物を持って、京さんが座るソファの前のテーブルに置く。
ソファに座る…と言うか肘置きに凭れて半分寝転ぶ体勢の京さんに皿を差し出すと大人しく受け取った。
俺は京さんの足元に座る。
「ココアこれで終わりましたよー。また買っておきます?」
「んー。どっちでも」
「でもアイスココア出来るし買っておこうかな。白ココア美味いし。最近コーヒーの方よく飲むから、どうしようかなって」
「……。またファンシーな皿とカップやな」
「あ、気付きました?またシール集めて貰いました」
「……」
「何回目かになると、もうスタッフやメンバーが言わなくてもシール貼ってくれるんで。今回は早く2枚貯まりましたよー」
可愛いですよねってチーズケーキの乗った黄色いキャラの皿を京さんに見せると呆れた顔をしてフォークを手に取りケーキを食べた。
「…京さん、美味しいですか?」
「うん」
「マジっすか。よかったー初めて作るんで上手く出来るか不安で」
「は、これお前作ったん?」
「はい」
「…はー…ようやるなぁ…。女か」
美味しいって頷いてくれた京さんに顔が緩む。
自分も一口食べる。
うん、普通に美味しい。
よかった。
ワンホール作ったから2人で食べるのキツいし、明日メンバーにでも持って行こうかな。
「そこら辺の女よりかは家事能力高いと思いますよ、俺」
「あっそ」
「嫁にどうですか、京さん」
「お前買い物依存症で金かかりそう」
「そこは自分で何とかしますから、是非」
「そもそも無理やしな。何やお前掘られ過ぎて思考回路おかしなったんちゃう」
「えー?」
「元々素質あったとか」
「それは無いですよー!ヤられんのとか、京さん以外絶対嫌ですもん!」
話しながら、京さんが食べ終わった皿を差し出して来たから受け取ってテーブルに置く。
代わりにココアの入った、皿と同じ柄のカップを手に取り京さんに渡した。
「どうやろなー。るき淫乱やし。右耳だけにピアスしとるし」
「あーそれ散々周りにも言われたんですよね。変ですか?」
「何で右耳だけってホモって言われるんやろな」
「わかんないっすよね。まぁ俺の場合、前に言った通り京さんの左耳だけのピアスと2人で1つになるようにですけどね」
「後付けやろが」
「あはは。運命なんです。とにかく、俺は京さんとしかヤリたく無いんで」
「ふーん」
京さんがキャラ物を持ってるってだけで、似合わなさすぎて可愛い。
言ったら怒られるけど、見た目がシュール過ぎる。
頬緩めて京さんを見てたら、ニヤニヤすんなって蹴られた。
思わずケーキ落としそうになったから、俺もさっさと食べる。
まぁ京さんの口から『嫁に来い』なんて言葉、天地がひっくり返っても無理だろうけど。
甘めのココアに口を付ける。
あー、チーズケーキ甘かったから、ココアじゃなくてコーヒーか紅茶にすればよかったかな。
テーブルには食べ終えた、いつもいつもペアで揃える某コンビニのキャンペーンの皿と。
一緒に飲む、ペアのマグカップ。
この、今の現実だけでも、十分幸せなんだけどね。
京さんが家でこう言うの使ってんのとか、想像なんて出来無いだろ。
俺が見える、特権。
「京さん次どんなの食べたいですか?」
「…別に」
「えー。リクエストとか無いっすか」
「不味くなければ」
「京さんの好み聞きたいのにー」
「お前…これだけ一緒に暮らしとってまだわからんの?」
「う…それは…わかってますけどー…」
「ならえぇやん」
「京さんに『○○作れ』って言われたいのに!」
「何それ。普段からもドMなん持ち込まんといて」
「ちげー!」
京さんに言われたら何でも言う事聞きますよ。
命令されんのとか、超好き。
京さん限定で。
家事能力高い従順な嫁になるんで、是非貰って下さい。
終
20120405
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