下の話/京流




飯食い終わって、テーブルに座ったまま煙草を吸いながら。
片するきの姿をボーッと見る。

るきは食器とか片付けながら、飯食っとる時もよう喋っとったのにまだ喋り続けとった。

どんだけ話するんやろ、コイツ。


適当に相槌を打ちながら、視線を落としてテーブルに置かれた灰皿に灰を落とす。


珈琲が入ったマグカップ2つを持ってまたテーブルへと戻って来て、僕の目の前に1つを置いた。
そして向かい合わせにるきが座る。


煙草を灰皿に置いて、珈琲に口をつけた。


「そう言えば今日、一緒に仕事してる人がプリンス・アルバート開けたって言ってて」
「何それ」
「俺もよくわかんなかったんですけど、聞けばシモにピアス開けたらしいです」
「へー。女?」
「男!女の人だったらその話題軽くセクハラになりません?」
「まぁ、そりゃそうやな。ってか何処に?」
「あー…さすがに見せてとは言えなかったんで、画像検索しましたけど…見ます?」
「…いや、えぇわ。何で野郎の見なアカンねん」
「うーん、説明しにくいんですけど、裏筋のカリ下から尿道抉って先端に出す感じです」
「…ようわからんけど、それ機能するん」
「一応はするみたいですよー」


でも痛そうでしたって笑い話にしながら珈琲を啜るるき。

何でもかんでも興味持って色々見すぎ。

ってか見たんか、お前写真で。
よう見えるな。

まぁ僕も相手はるきやから、るきのは見慣れとるけど。


「でもピアス付いてんのって入れたら気持ちぃーんすかね」
「知らん」
「ピアスとか引っ掛かりそうなイメージですけど…」
「………」
「…京さん開けてみません?」
「…死ね変態マゾ」
「あはは」
「開けたいんやったら自分のに開けたら。何なら2、3個。僕開けたるし」
「えー何それ超興奮しそう」
「…お前頭おかしいやろ」


この変態。

お前自分の快感の為に僕のにピアス開けようとして。
ぐちゃぐちゃにして使いモンならんくしたるで。

あー、そしたら出来んくなるか。
まだ口が残っとるけど。


「あ、でも他の画像見てたらアパドラビア・ピアッシングってのもあって、それははカリ部分を上から下まで縦に垂直に貫通させるヤツなんで、真珠入りのと見た目あまり変わりませんよ」
「見た目云々より、僕は開ける予定無いから。お前えぇ加減にせんとマジで開けるで」
「え…まだ心の準備出来ないですそれは…。ってか開けたらメンバーには見せそう、俺」
「あーるきやもんな」
「どう言う意味ですか」
「見せられた方はたまったモンちゃうけどな」
「そっかなー」
「そりゃ見た無いやろ」
「え、でも男なら一度は皆で大きさ比べたりしません?」
「………」
「…えっ、しない、です、か?」
「………」


えー。
もうコイツ何言うとんやろ。

るきってアホやなぁって思っとったけど、やる事まんまガキでアホみたい。


るきから視線を落として、ほとんど灰になった煙草を灰皿で揉み消して溜め息。


昔ですよ昔!って慌てて言うとるるきを見ると、もうどうでもえぇって言うか。


飯食った後に、まったり珈琲飲みながらどんな会話しとんねんって思うわ。


第一そんなトコにピアス付けたグロいモン、誰が喜ぶねん。
変態マゾ以外喜ばんやろ。

目の前におる様な。


「でも京さんの別にピアス付けなくても十分ですよね」
「うん、アホな事言わんと、黙っとり」
「褒めてんのに!」
「そんな内容で褒められても嬉し無いわ!」


寧ろ不満なんか言うたらブッ潰す。

チンコにピアスなんて。
よっぽどの性癖が無いとなかなかせぇへんやろ。

でもるき喜びそうやから、お仕置きにならん事は確かやな。
意味無いし。


「でも京さんにピアッシングされるなら開けたいかも」
「もうシモとピアスから離れろ」
「えー!何か『京さんの物』って感じがしてよくないですか?」
「…なら貞操帯でも付けとったら」
「そんなの無くても守りますって!」
「どうだか」
「いやマジで!」


京さんしか興味無いですもん!って、主張するるき。


うん。
当たり前やんな、そんな事。


やっぱるきはアホやわー。




20120330



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