愛しい人への独占欲/敏京
「ッはー…つっかれた…」
「もう何も出ない気がするー…」
「あっつ…窓開けて、窓」
「やーだー。動きたくなーい」
「暑い言うとるやろアホー」
「あはは。京君好きー」
オフの日に出掛ける予定も無くて、京君とラブラブしてて自然の流れでセックスして。
明るい昼間に燃えてヤッて、疲れて京君とベッドに寝転がる。
まだ寒いし、暖房つけてたけどあっつい。
でも窓開けたら寒いよ多分。
汗だくんなった京君に腕を回して抱き締めると、京君は嫌そうに言いながらも振り払わない。
から、ちょっと身体を起こして京君の唇に何度も軽くキスをする。
「んー…、やめぇやぁ」
「やだぁー」
京君が笑って、俺の身体を押し返そうとするのを制して、両手をシーツに押し付けて首筋に吸い付く。
キツく吸って、京君の皮膚に赤い痕を残す。
「ちょぉ、お前、痕残すなよ」
「いーじゃん。暫くライブないでしょ?俺の物って証ー」
「誰もお前の物にはなってません」
「いやいや、京君は俺のだよ。俺の大好きな恋人なの。変な虫が付いたら困るから、虫除け」
「何それ…。あ、コラ敏弥」
しょーがない奴って感じに、呆れたみたいに笑った京君を見下ろして。
赤いキスマークが付いた首筋に、また吸い付く。
まぁライブは無いけど、インタビューとか雑誌の撮影はあるね。
それに気付いて、メイクさんか衣装さんに突っ込まれたら、京君怒るだろうなー。
でも京君には俺って言う恋人がいるんだから、誰にも手出しはさせないよ。
キスマーク付けんのは、独占欲の証。
まぁ京君の内太股とかにもめちゃくちゃ付けてるけどね。
「も、お前しつこい!」
「ぁ痛ッ、んふふー結構付いたもんね」
「はー…最悪やコイツー」
しつこく京君の皮膚にキスマーク付けるのに勤しんでたら、京君に軽く頭を叩かれた。
顔を上げて、京君の首を見ると何個か付いた赤い痕。
よし、満足。
「京君の事大好きだから」
「もう今更誰も近寄って来んて」
「いやいや、何があるかわかんないよ!京君笑った顔可愛いし、意外と優しいし!」
「意外とって何やねん、アホ」
京君が八重歯を見せて、俺の顔を見上げて笑う。
むにって頬の肉をつねられて、その表情と仕草が可愛くて。
だから好きなんだよ、畜生。
「敏弥の頬っぺた柔らかい」
「いいだろ」
「いや、別に」
「またまたぁー」
「はいはい。ティッシュ取って。煙草も取って」
「え、もうこのまま風呂行こうよ。色々ぐちゃぐちゃだし」
「あー…」
そう言って京君はうにうにと俺の頬を触ってた指を離して、ぺたぺたと頬を触った。
汗まみれのザーメンまみれだし、このまま風呂入った方がよくない?
シーツも替えなきゃだし。
そう言ったら、京君はしゃーないなぁって言いながら起き上がった。
ラブラブえっちした後は、ラブラブに洗いっこしよーよ。
「今日ご飯どうする?」
「焼き肉食いたい」
「あ、いいねー。そしたら夜も頑張れるね」
「昼間にこんだけヤッとってまだヤる気か」
「いいじゃん。好きなんだもん」
「ヤんのが?」
「いや、京君が。愛を確かめるのに最適な行為だと思います」
「うわ、さぶー」
京君の唇や頬、目蓋にキスを落としながら言うと、やからしつこいってペシッと京君の手に阻止された。
「まぁ僕も好きやけど」
「え、俺が?」
「や、セックスが」
「何だよ身体目当てかよー」
「ははっ」
わざと拗ねた様に言いながら、京君の顔を両手で包んで額を合わせてグリグリしたら。
目を合わせたままの京君がそのまま唇に吸い付いて来て。
「敏弥とヤるから、好きやねんて」
「…何それ、超可愛い」
囁く様に言った京君の身体を、ぎゅーっと抱き締める。
だから好き。
可愛いんだもん、京君。
誰にも渡したくない。
独占欲半端ないの、京君の所為だって。
終
20120329
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