玩具プレイA※/京流
熱も何も感じない。
いつも中に突っ込まれる京さんのとは感触も何もかも違う固いソレ。
京さんの顔を見上げて首を振っても、京さんはじっと俺を見下ろしたまま。
玩具を抜き差しされて、口からは喘ぎ声が零れる。
「気持ちえぇ?」
「んン…ッは、苦し…!」
「あーちょぉ長い?るきが選んだんやろー?」
「やだ、や…ッ」
「はい、スイッチ入れんでー」
「や、待って…!あッ、あ゛ぁああ…!?」
「はは、大袈裟やなぁ」
「やだやだやだ…ッ何これ…あァ…!!」
体内に埋め込まれたバイブは、京さんがスイッチを入れた瞬間、あり得ない動きをして中を掻き回した。
人間には出来ない機械の動きに付いて行けずに頭を振る。
あの動きが怖くて、試すの止めたって言うのに。
でも京さんは抜いてくれない。
勝手に漏れる声。
縋る様に京さんに手を伸ばしても、その腕はシーツに縫い付けられた。
全裸になって喘ぐ俺と、服を着たままの京さん。
いつもの体温が感じられない。
セックスしてるって言うより、弄ばれてる感が強いこの行為。
それがこんなに、寂しいと思う事だなんて。
「あっ、ぁ、ダメッ、やだ!京さん…抜い、抜いて…っあぁあ…!!」
「気持ち良さそうな顔して勃たせとって、何言うとん」
「ちが、違う…!!」
「なーにが違うん。オラ反抗せんと喘いどけ」
「やぁアぁ…!あっ、あ…!」
シーツに縫い付ける京さんの手を握り締める。
叩き付けられるバイブに、背中を反らせて。
蠢く機械に強制的に射精させられそうになる。
「あーイきそうやね、るき」
「やだ…ッや…!京さ…ッあ、ァ、あっ」
「は、嫌ちゃうやろ。早よイきや、お前」
「そ、な…っしたら…!あ、ダメ、イく!イく…やぁ…ッあァああ…!」
爪先を伸ばして、バイブをキツく締め付けて。
シーツに頭を擦り付けて身体を反らす。
ビクッと腰が跳ねて、自分の腹の上に精液を吐き出した。
目の前が真っ白になって下半身に力が入らなくなる。
無理矢理イかされた感が否めなくて。
射精の感覚に腰を痙攣させながら息を吐いてもまだ体内で暴れるソレ。
京さんは抜いてくれる気配がなく、また動かされるバイブに逃げようと腰を動かして手を伸ばす。
「も…ッ、やだ…!」
「嫌ちゃうやろ。1人で使うんが怖かったから使い方教えてやっとんやろが」
「や、ゃ、も…ッわかった、から…ッあ!あァ!」
「暴れんなボケ」
「やだぁ…!」
手を伸ばす俺の手首を掴んで、身体を反転させられた。
腰だけを高く上げさせられて、背中に京さんが覆い被さって片手をシーツに押さえ付けられる。
もう片手は、中を掻き回すバイブを掴んでまた動かして。
シーツに片頬を押し付けて、バイブの振動に腰を揺らして喘ぐ。
こんな格好で、犯されるのは熱のない玩具で。
背中に感じるのは京さんの肌の感触じゃなくて。
すげー屈辱的。
「るーき」
「ひっ、あ!アぁ…!きょ、さ…ッ!」
「るーきちゃん。気持ちえぇ?」
「あッ、ぁ、ダメ…っあ!ぁあ…ッ!」
「良さそうやん。もう玩具がえぇんちゃうの、るき」
「や…ッ京さんのが…!」
「ふーん?でも玩具でイくしなぁ」
「…っ、」
「僕が海外遠征中にオナニーする用やっけ?ホンマ淫乱やねー?」
「あッ、あァ…!」
京さんの楽しそうな声が耳元で囁かれて、より一層涙が滲む。
その声にも感じてバイブを締め付けてしまう。
体内に埋め込まれたバイブが内壁を擦って、いい所を抉られて嫌でも反応する身体。
そうさせたのは京さんじゃん。
もうやだ。
身体は快感で満たされても、心が満たされない。
京さんの熱を感じて、京さんので喘ぎたいのに。
「うぁ…ッあ!ぁっ、そな、動かさな…ぁあ…っ!」
「はいはい」
「ひ──っあぁあァ…!」
「はは、またイってまう?お前も好きモンやな」
いつもとは違う、強い快感に腰が震える。
京さんの楽しそうな声。
嫌なのに、気持ち良いのは否めなくて。
悔しくて、気持ち良くて、色んな感情が相まって訳わかんない。
でも、身体は確実に快感を拾ってく。
「あっ、ぁ!京さ、ン…!またっ、イきそ…ッ!!」
「イったら?イくなとは言うてへんやん」
「あ゛ァ…!!」
京さんにそう言われて、肩口に噛み付かれる感覚を味わいながら。
シーツを握り締め、自分の声とは思えない声を上げて背中を反らせてまた白濁を吐き出す。
「……ッは、…は…」
「ふーん、これそんなえぇんや」
「…ぁ…っ」
俺がイったら、京さんはスイッチを切ってバイブを抜き取った。
終わった責め苦に、深い息を吐く。
射精の感覚が長引いて、腰を高く上げたままビクビク痙攣してると。
京さんに身体を反転させられる。
されるがままに仰向けにシーツに沈んで、京さんを見上げると。
また京さんに足を開かされてバイブを後ろに当てがわれた。
「え…っ!?」
「オラ、力抜け」
「や、もう、やだ…!京さんがいい…ッ」
「言うたやろ。今日はヤらんって」
「何で…!」
「んー?お前が勝手にこんなモン買っとるからやろ」
「ごめ、なさ…!!」
「何回イけるか、試してみよなー?」
「…ッや!やぁ──ッあァあ…!!」
また突っ込まれたバイブ。
楽しそうな京さんの顔が、俺を見下ろす。
俺を虐めるネタが出来て、楽しいって顔して。
意地悪なこの人。
だから、俺にはいつも拒否権がない。
シーツの上。
京さんが満足するまで悶えるしかないっぽい。
身体だけの快感じゃ満足出来ないってわかったから。
だから早く、許して下さい。
終
20120327
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