恋人たちのホワイトデー/敏京




「とーしやぁ」
「なーに」
「ホワイトデーやからお返し寄越せ」
「えー?お菓子十分食べたじゃん京君」
「それとこれとは別」


ホワイトデーだからって名目でスタッフとかに色々貰ったお菓子を全部食べて。
食べ終わったら笑って俺の方を向いて。

正直可愛いけどさ。


ベッドを背凭れにして胡座を掻いて新しく買った漫画を読んでたらお菓子食べてた京君が目の前まで近寄って来た。

飲んでたビールを、はいって差し出すと、いらんって言われた。


「でもバレンタインの時、どっちかって言うと京君が俺の食べた感じじゃん。俺にもホワイトデーのお返しちょうだい」
「お前の我儘に付き合ったったやろ」
「京君も超ノリノリだったじゃんか」
「楽しまなつまらんやん」


京君は言いながら口の端を歪めて笑って、俺の膝に手を掛けてゆっくり撫でながら俺を見て。
伸びを首筋に顔を埋めて皮膚に吸い付いて来た。


ゾクゾクした感覚が、背筋を這い上がる。
京君の舌が、ゆっくりと首を舐めた。


「…なーんでこんな淫乱になっちゃったかなぁ…初めての時はガッチガチだったのに」
「何、嫌なん」
「んーん、超好き」


読んでた漫画をベッドに置いて、目を細めて京君の髪を撫でる。

京君の手は俺の股間をゆっくり撫でて、やわやわと揉んだ。
そんな事したら勃っちゃうよー。


とか思ってたら。
京君の手がベルトを外してって、下着の中に手を突っ込まれて自身を扱かれる。


京君気紛れだから、いつスイッチが入るのかわかんない。

でも、そう言う所も好き。


「え…!?」
「は、敏弥のめっちゃ勃ったァ」
「ん…ッ」


京君の頭が下に移動して、俺自身に生暖かい感触。


いつもしてって言ってもなかなかしてくれない、京君の口淫に。
舐められてるのがまた固くなった。

笑って俺を見上げて、舐め回してからゆっくりと吸い付きながら口内へと飲み込まれた。

気持ちいい。

京君の頭を見下ろして、優しく髪を撫でる。

いい眺め。

京君、大好き。














俺の短い息と、濡れた音が部屋に響く。


「ッ、京君、も、イきそ…!」
「んっ」


唾液を絡められて、暫く刺激を続けられると段々とイきそうになって。

俺がそう言うと、更に吸い付かれて手と唇で扱かれる。
指で

太股がビクビク震えて、自分のが固くなって。
一瞬真っ白になって京君の口の中に白濁を吐き出す。

京君は全部を受け止めて、絞り出す様に下から手を動かされた。


「っはー…」


身体を弛緩させて、息を吐きながら天井を仰ぐ。
射精感に浸ってると、京君が顔を上げて。


「ん、」
「え…ッ」


京君が、俺の足を跨いで。
両手で顔を固定されて、親指で口を閉じられない様にこじ開けられる。

京君にキスされて、ドロッとした物が口の中に流し込まれた。
自分の精液の味に顔をしかめて、顔を反らそうとしても京君にガッチリ掴まれてて無理で。


時々される事だけど、やっぱり慣れない味。
京君のだったら大歓迎だけど。


座った俺に膝立ちになった京君。

親指が抜かれて。
必然的に上向かされ、精液を口移されて唇を塞がれる。


そのまま、舌を絡め取られてお互いの舌と唾液で精液が混ざりながら。
喉を動かして何回かに分けて飲み込む。


京君が唇に吸い付いて、離す。
間近で見える京君の表情は、凄く楽しそうで。


こんな事されても興奮する俺は、京君が淫乱になった様に、この人に変えられた気がする。


「ッは、なに、すんの」
「ホワイトデーのお返し」
「嬉しくねー」
「僕がフェラしたったのに?」
「…それは嬉しい、けど」
「敏弥可愛い」
「…可愛いのは京君だろ」


楽しそうに笑う京君の身体を抱き寄せて。
後ろのベッドへと押し倒す。


「ヤるん?」
「今更ヤらないなんて嘘だろ」
「はは、お返しに気持ちよぉしてや」
「任せなさい」


大好きな京君。
目一杯の愛でお返しをあげる。




20120314



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