10th ANNIVERSARYB※/京流



黒い感情は、僕を侵食して。
僕の下で気持ち良さそうに喘ぐるきの、首に片手をかける。

るきが弾かれた様に僕を見上げて。
そして笑う。


それがムカついて、手に力を込めてるきの頸動脈を押さえ付けると。
別に殺意は感じへんのか、るきの意思か。

抵抗を全くせぇへんまま、るきの喘ぎ声は止まって。
小さく短い息を吐くだけんなった。


下半身は、僕自身をキツく締め付けて来て。

そのまま押さえ付けて、その締め付けに逆らう様に一旦ギリギリまで引き抜き、角度を変えて下から突き上げる。


「…ッ、…っぁ…!」
「はは、よぉ締まるやん…ッ」
「────……」


るきの身体が痙攣して、目を見開いた後、そのまま意識を手放した。
死ぬにはまだ締め具合足りひんやろし、トリップしたなコイツ。


それと連動して、るきのナカはヒクついて僕のを締め付けて来た。


るきの首から手を離して、足を抱え直す。
気にせず遊ぶ様に腰を打ち付けとると、るきの腰がビクッと跳ねる。


「───…ッ…!」
「は…っ、起きたんかお前…!」
「ぁ、あ…っ」


ヒュッと息を吸い込んで、るきが覚醒する。
気絶しとった時間は、1、2分ぐらいやったな。


そんな事を考えながら、責めるのをやめへんと。
るきが何や言いたそうに口を動かした。


「何や」
「あ…っ、気持ちィ…ッきょ、さ…もっと…!」
「は、変態」
「あ゛…!!」


そう言えばコイツは首締められるん好きやったな。


鼻で笑って、またるきの首に手をかける。
今度は、両手で。


何がヤバくて、何が普通なんか。
もうこの空間にそんな倫理はない。


涙と涎垂れ流しにして、僕を信用して喜んでこんな事されるるき。
もう一度、力を込めてるきの首を締める。
頸動脈を押さえる様に。

痙攣するるきの身体を容赦なく突き上げて。
青白い顔で、またトリップ。


その瞬間、意思とは関係なくまた僕自身を締め付けて来て。
ナカが痙攣しとんが伝わって来た。


下半身に来る快感に眉を寄せ、もうそろそろイきそうんなる感覚。

首から手を離して足を抱え直すと、るきはイッたらしく腹の上に白濁を吐き出しとった。


るきの喘ぎ声がないんは人形相手にしとるみたいやけど、しゃーない。


タイミングを逃さない様に、力の入ってないるきの身体を犯す。


気絶しとったるきは、2、3分で僕がイく前に覚醒したけど。
ぐるっと回った瞳が、状況を確認しようと動いて。

僕の顔を捕らえて笑みを浮かべた。


そんなるきを見下ろして、倒れ込んでキツく抱き締めながら首筋に噛み付く。

イく寸前、最後にめちゃくちゃにるきのナカを擦って。
最奥に精液を放つ。


吐精感に息を吐いて、るきの身体の上で力を抜く。
るきの腕が僕の背中に回って来るのを感じた。













「あー…すっげ、今日よかった。京さん最高」
「あっそ」
「もう死ぬかと思いました」
「は、死んだら」
「京さんに殺されるなら、本望です」
「…ふーん」
「しかもヤッてる最中にとか。幸せの絶頂で死ねますね」
「アホか」


るきから引き抜いて、隣に座る。

2回トリップしたるきは涙と口元を拭って、饒舌に話しとった。

元気やな、お前。


るきも無事起きたし、ベッドサイドに置いとるままの煙草に手を伸ばして1本咥える。


アルコール摂取してへらへらしとったるきは、終わってからも別の意味でへらへら笑っとった。


煙を吐き出しながら、シーツの上で寝転がって僕を見上げるるきを見下ろす。


手を伸ばして触れた首元は、噛んだ痕や鬱血。
僕の手形もはっきりと残っとって。


まだ手加減出来る理性は残っとる。
るきがトリップするだけで済むんやから。


ゆっくり痕をなぞる指をるきが手に取って、愛しそうに舌を這わせた。

さっきまで、コイツの呼吸を奪った僕の指を。


相当、コイツも頭イカれとるな。


「10周年ライブが出来て、京さんに来てもらって、皆に祝ってもらって、京さんと最高のセックスが出来て。幸せです」
「はいはい」


煙草を吸いながら、いつもの事やって流すフリをする。
そるでもるきは嬉しそうに笑って。


疑う余地はない、筈。
るきに限って。


でも昔、そんな関係やっても、離れてった奴がおるやん。


約10年前。


ホンマ、離れるなら許さへん。
あんな思いはもうしたくない。


あのガキに言うた言葉が実行されへんかったらえぇな。


なぁ、るき。




20120318



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