10th ANNIVERSARYA※/京流




お互い服を脱ぎながら、電気も点けずに寝室のベッドにキスをして雪崩れ込む。
暗い中でも目が慣れて、押し倒したるきに覆い被さり、口元から喉へと噛み付く。


「──…ッ…ぁ…!」


晒け出された喉元を噛んで吸い付いて、るきの皮膚に痕を残す。

吸い付く音が部屋に響いて、るきの両腕が僕の首に回って来たソレを、シーツに押し付けた。


るきの足が、僕の足と絡まる。


捕食者がする様に、そこに噛み付く僕に簡単に晒して。
るきの喉仏が上下に動いた。


荒い息遣いが、部屋に響いて。
アルコールが入ったるきは、恥ずかしがる事もなく僕に身体を拓く。












ローションで、るきの秘部に指突っ込んで掻き回しながら、乳首に噛み付くと。
るきが小さく息を吐きながらもっと、と言う様に身体を反らせた。


「あ…っ、気持ちぃ…!」
「あーそー。よかったやんこのドM」
「ん゛…ッ京、さ、ァ…っ」
「何処がえぇんや。なぁ、るき」
「あ…ッ、も、わかんな…ッ!」


ローションが混ざる水音をさせて、指を3本まで増やして抜き差しする。


間近で顔を見下ろして、顎を掴む。
るきの足が、ビクビク震えた。


アルコールと、宴会場独特の匂いと。
るき以外の香水の匂い。


アイツの、会場での顔と言葉が思い出されて舌打ちして指を奥まで突っ込んで乱暴に慣らす。
それでも行為中のるきは、多少乱暴にしてもそれを快感へと変換する、僕が仕込んだドM人格。


何もかも全て受け入れる様なるきに抱く感情は、自分でも認めたくないモンで。


ありえへん。

僕がそんな事を思うなんか。









「オラ、足開け」
「あ…っ、京、さん…」


るきの足を開かせて折り曲げ、慣らしたソコへと先端を押し付ける。
るきは僕の顔を見上げてから、今から犯される自分の下半身へと視線を巡らせた。


「…ッ、」
「は、ゆるゆるやなお前のケツ。男に犯されるん大好きやもんなァ?」
「違、ぁ…ッ、京さんだけ…!」
「どうだか」


ゆっくり先端をめり込ましたると、るきの襞が僕のを締め付ける。
男として、掘られるのを自分の目で見て興奮するコイツは、どうしようもない程。

嘲笑うかの様に言うと、るきは瞳を歪まして。
一気に貫いたったら、喘ぎながら背中を反らせて僕自身を締め付けて来た。

腰を浮かせとるから、ぴったり奥まで突っ込んで。
間髪入れずに律動を始めると、るきの低く甘い声が耳に届いた。


「あっ、ぁ、待っ…、京さ…!」
「ッあ?しっかり付いて来いやお前!」
「ひァ…っ、あぁあ…っ」


しょっぱなから手加減なしで打ち付けてやると、るきは揺さぶられながらシーツの上で悶える。

ベッドのスプリングが軋む音。
ローションが混ぜられる音と肌のぶつかる音が室内に響く。


るきは翻弄されて、成す術なく喘ぐだけ。


10年。


こいつがバンドやり始めて、僕の真似やって騒がれて繋がりを持って。
あん時ボロボロの精神状態やった僕の、好き勝手に玩具にしたコイツは。

飽きもせず僕の元へとやって来て。


虐めに虐め抜いたのに、僕の事も、バンドの事も諦めんと今の地位を掴んだるき。

るきのバンド人生の大半を一緒に過ごした。


ホンマ、コイツのポジティブな所には頭が下がるわ。

何をしても、京さん京さんって。
呼び出したらのこのこ来やがって。


ステージ上で観たるきと。
僕の下で喘ぐるき。


最初、僕の真似や言われとったコイツが10年で確率した地位。

10年の歳月は長い様で短い。
でも、変化を促すには十分で。


今ではるきがおる生活が当たり前で。


「ッあ!ぁっ、京さっ、あァ…ッ、気持ち、ィ…!」
「るき」
「ぁン!あぁあァ…っ」
「るーき、こっち見ろ…ッ」
「ひっ、ぁ!京さ…!」
「ッは、」


身体を倒して深く突き入れ、るきの顔を間近で見下ろす。
最初焦点の合って無かったるきの瞳に僕が写る。


僕の姿を写すと、ナカが締まって思わず息を吐く。


何度も何度も、腰を打ち付けるとるきの顔が快感に歪んで縋る様に僕の腕を掴んだ。

その両手首を掴み、シーツに縫い付ける。


縋るモンもなく、全部を晒け出してただ僕に揺さぶられながら喘ぐるきは可愛い。


「っ、るき」
「あァ…ッは、ぁ!京さ、京さん…!!」
「は、もっと呼べ」
「ッあ、京さん、きょ、あっ、ァああ───っ!!」


呼べって言うて、素直に名前を口にするるきのナカを、下から抉る様に深く重く突き上げる。

高く鳴いて身悶えるるきはうわ言の様に言葉を吐いて。


お前の口から紡ぐ言葉は、僕の名前だけでえぇ。

今までの様にお前は、僕の名前を呼んで僕に縋り付いてくればえぇの。

それ以外は、許さへんで。




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