京さんA※/京流




風呂から上がって、備え付けのバスローブ着んのが嫌って言って、京さんは下着だけ穿いて空調の効いた広い部屋に戻る。

デカいガラス窓の傍に置かれたテーブルの上には、京さんの誕生日ケーキとシャンパン。


シンプルで洒落なケーキに“HAPPY BIRTHDAY KYO”と書かれた文字。
確かに腹一杯で食えねーかも。

でも記念に写メっておこうかな。
京さんの名前も入ってるし。


iPhoneを取り出して、京さんの誕生日ケーキとシャンパンと。
角度を考えて写メる。


「…何しとん」
「あ、京さん。せっかくなんで写真を残しておこうかなって」
「あそー。るき、シャンパン開けて」
「えぇー、多分京さんの方が力ありますよ」
「どんだけ貧弱やねん、お前」
「あはは。こればっかりは仕方無いです」


写メってると京さんがテーブルを覗き込んで来て。
ケーキに飾られたチョコレートで出来た薔薇の花を摘まんで食べて。


京さんに言われた通り、シャンパンを開けようと力を込める。
思ったよりすぐ、軽快な音を立てて栓が抜けた。
よかった。


グラスに2人分のシャンパンを注いで、窓から夜景を見てる京さんに近づく。
ガラスには夜景と、反射して俺らの姿も写ってて。

京さんの逞しい筋肉とか、綺麗な刺青とか凄い好き。


「どうぞ」
「ん」
「誕生日、おめでとうございます」
「…もうめでたい歳ちゃうし」
「でも去年、俺の所為でちゃんとお祝い出来なかったんで。今年はちゃんとしたかったんです」
「あー…」


京さんにグラスを渡して、軽く合わせる。
京さんは俺から視線を反らして、また夜景を見た。


「…僕んちから見える夜景とあんま変わらんのやけど」
「だって京さんち高層マンション最上階ですもん」
「せやな」
「あの部屋眺めいいですよね」
「住めてよかったな」
「京さんと住めるなら四畳半でも大歓迎です」
「それは僕が嫌やわ」


笑って、京さんは一気に飲んでグラスの中を空にして、テーブルに置いた。
京さんに腕を掴まれて引き寄せられる。

グラスを持ってた方だったから強い力に握力が出せなくて、あっと思う間もなくグラスを落とす。
毛の長い絨毯が敷かれてたから、割れはしなかったけど液体が辺りを濡らした。


今はそんな事より。
全面ガラス窓に両手を押し付けられて、アルコールの匂いがする京さんとのキス。

それに酔いしれる。


「ん…ッ」


好き勝手に動く舌に口内を犯されながら、足の間に京さんの足が入り込んで来て。
密着した身体で、股間を押し上げられて否応無しにそこが反応する。

抵抗する気なんか全く無いのに、強い力で押さえ付けられる手に興奮。

もっと全部、俺を支配して欲しい。


「──ッ…!」


唇が離されて首筋に噛み付かれて息を飲んだ。
もういっそ、一生消えない傷になればいいのに。

窓ガラスに頭を擦り付ける様に首を反らせば、喉仏に食い込む京さんの歯。

痛い。
けど気持ちいい。

SMって、雰囲気なんだよ。

京さんの作り出す全部が俺には十分過ぎるぐらい、飲まれてく。



力が抜けた身体は、京さんの手と足が離れるとずるずる下に下がってへたり込む。

京さんの、左足に刻まれた刺青が見えて。
視線を上へと向けると、京さんは俺を見下ろしながら下着の中から半分勃ち上がったのを取り出した。


「舐めろ」
「ベッドで、」
「ここでえぇ。グダグダ言わんと早よしぃ」
「ん…っ」


唇に押し付けられた熱に、京さんを見上げてから視線を落として、ゆっくりと咥え込む。
先端だけ何度も吸い付いて、舌でなぞると段々と硬くなって来て。

根元を手で扱きながら、奥まで咥え入れると同時に。
京さんに頭を押さえられて腰を押し付けられる。

一気に喉奥まで入り込んで来たソレに、えずく苦しさに逃げようとしても逃げられない。

生理的に涙が出て来て、視界が歪む。


やめて、そう言おうとしても声にならず。
ガンガンに腰を揺らす京さんの動きについて行こうと、必死に吸い付いて舌を動かした。


「あ゛…っん゛ン!」
「は、えぇ顔」


見上げると、楽しそうな京さんの顔。

声色。


キツく掴まれた髪の毛が痛い。
好きに動く腰の動きに合わせて、俺の後ろにあるガラス窓にガンガン後頭部が当たる。


唾液を口の端から溢しながら、京さんの太股に手を置いて、全てを甘受する。


こんな豪華な部屋で。

こう言う扱いされんの。


誕生日だからイチャイチャ出来んのかなって思ったけど。
全くそうはいかない状況に、興奮して俺自身が勃ち上がってんのがわかる。

所詮、俺は貴方の虜だから。




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