メンバーの誕生日/敏京+堕




「あっ、堕威君、誕生日おめでとー」
「…おめでとさん」
「おー、敏弥と京君、ありがとなぁ」
「何歳になったの?京君より1歳上だっけ?」
「せやなぁ」
「京君が俺より歳上なんて思えないよねー」
「はぁ?喧嘩売っとんか敏弥」
「まぁまぁ」


今日は堕威君の誕生日。
毎年あるもんで、毎日の様に会うメンバーやけど案外仲間内で祝ったりする。

スタがケーキ用意してくれたりとか。


敏弥も敏弥で、0時過ぎたら堕威君にメールしたりとか、めっちゃ律儀。
普段から仲えぇしなこの2人。

ライブの待ち時間とかよう遊んどるし。


休憩中にソファに座って、敏弥と2人で雑誌見とったら同じく向かいに座った堕威君に敏弥が声を掛ける。


堕威君が目の前に座ったから、必要以上にくっついて雑誌一緒に見よった敏弥から少し距離を取る。
…まぁそんな事しても、敏弥はまた距離を詰めてくっついて来たから意味ないんやけど。


敏弥が僕の肩に腕を回して。
そのまま堕威君と談笑しとったから雑誌の続きをまた見出す。


「でも誕生日とか言ってもさー大体仕事だよね」
「ま、誕生日で喜ぶ歳でもないしなぁ…」
「そう?楽しいじゃん。俺の誕生日とか、京君がいつもコスプレしてくれてエッ、」
「ちょぉ、お前!何言い出すねんアホ!」


2人の会話を聞き流す事が出来ひん事を敏弥が言うて来やがったから、読んどった雑誌で敏弥の腹を叩く。


「いったぁ。何すんのさ!」
「お前がアホな事言うからや!」
「何なに。京君達コスプレして何するん」
「そこ食い付かんでえぇわアホ!」
「えーやん。俺今日誕生日やし、聞かしてぇや」
「堕威君の誕生日なんか知らん」


目の前の堕威君はニヤニヤして、絶対わかっとる筈やのにそんな事言うて来るから腹立つ。

もう知らんって、敏弥とは反対側向いて肘掛けに肘付いて足を組む。


「ちょっとー、俺の京君いじめないでよー」


そんな笑いを含んだ敏弥の声が聞こえて来たけど、元はと言えばお前が変な事言うから悪いんやろ。


「京君いじめていいのは俺だけなんだからね!」


何言うとんやこのドアホ。

お前帰ってから覚えとれよ。

また潮吹かしていじめたるわ。
そんな事、今ここで言うたら墓穴掘る事んなるから言わんけど。


僕にくっついて来る敏弥の手を振り払いながらそんな事を考える。


「やけど、京君と俺の名前足したら『兄弟コンビ』になるんやで。『兄弟』ならからかってもえーやん」
「ざんねーん。『兄弟』より『恋人』の方が大事なんですぅー」
「それはどうかわからんで、なぁ?」
「どう言う意味だよ!」


何や敏弥と堕威君が2人で盛り上がっとる。

楽しそうな声がすぐそこで聞こえて来て、煩い。

もう2人してアホ。


根本がガキで似とるから、敏弥と堕威君は気が合ってよう遊んどるんかも。


チラッと敏弥の方を見ると、細い目もっと細くして笑い合っとる敏弥。

楽しそうやなー…。

僕の視線に気付いたんか、敏弥が僕の方を向いて。
堕威君とは違う表情で笑う。


あー…糞。

アホでも何でも好きや、敏弥の僕に向けるこの表情。

仲間やダチとは違う、それ。


僕の頭を撫でる敏弥の手を払って、堕威君の方に視線を向けると、目を細めて楽しそうに笑っとったから。
何となく視線を逸らす。

何や見透かされとるような表情がムカつく。


「…で、コスプレした京君と、どなん遊ぶん?」
「あぁ、それはねー」
「ッ、もうホンマお前ら一回死ね!!」
「京君、死ねとか言うたらアカン」
「実際、俺が死んじゃったらもうコスプレえっち出来ないんだからね!」
「やかましいわ敏弥のアホ!ボケ!死ねやぁあ!!」


もう誕生日なんか知らん。

誰や誕生日ネタの原因は。

堕威かこの野郎楽しそうに笑いやがって。

もう来年は祝ったらんからな。




20111220



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