温かい日常の一部始終/京流
寒くなった我が家にも、炬燵を出した。
やっぱ炬燵はいいよなー。
暖房つけてても暖かいけど、炬燵は格別。
毎年新しくカバー買ってたんだけど、今年は買いに行く暇が無かったから仕方無く去年の炬燵カバー使ってる。
つーか、京さんにいちいち買うなって散々釘刺されてんだよな。
まぁこの去年買ったヤツ結構格好良くて気に入ってっからいいけど。
オフが重なった京さんと昼間は買い物行って、早めに帰ってご飯食べて。
炬燵でマッタリしながらテレビ見てるとか。
最高過ぎる。
ソファを背もたれにして、炬燵に入ってテレビ見てる京さんと90度側の一片に入って。
テレビに集中してる京さんをチラッと見る。
ベタに『炬燵にはミカンですよねー』って言ってわざわざミカン買って来て炬燵の真ん中に置いた時、『アホか』って一蹴した京さんが。
テレビ見ながらミカンに手を伸ばして剥いて食べてるのを見て笑みを浮かべる。
京さんだって食べてんじゃん。
「…何見てん。気色悪いな」
「京さん見てたんです」
「…お前さ、もう何年も一緒におるんやから飽きひんの」
「やだなー、京さん。飽きる訳ないじゃないですか」
「何なんコイツ…気持ち悪いわぁ…」
チャンネル回してたら偶然見つけた、超有名な某サングラスをしてる人の番組がCMになった所で、京さんが呆れた顔で俺の方を見て来た。
だって京さんとは長いのはわかるけど、お互いツアーで全然会えない時期もあるし海外行っちゃうしで。
実質そんな24時間365日一緒にいる訳じゃねーし。
職業柄見た目に変化付けるし、京さんをずっと見てんの好き。
嫌がるけどね、京さんは。
ファンとして好きなのと、一個人として好きなんだから。
仕方ねーじゃん。
「あー京さん俺にもミカンちょーだい」
「自分で食え」
「あーん」
「…キモ」
「ちょ、それ皮!皮です!」
「食わせろ言うたんお前やろ」
京さんに甘えた様な声出して、新しく剥いたミカン強請って口開けたら。
手を伸ばして剥いた皮の方を俺の口に入れようとするから慌てて口を閉じて顔を引っ込めた。
何か京さん楽しそうに笑ってるし。
八重歯見せて笑うとか童顔過ぎてマジ反則なんですけど。
皮でも京さんからの『あーん』なんだから食えばよかったって思った。
…いやいや、それは無いな。
「もういいですよー自分で剥きますよー」
「にしても、この話って年々つまらんくなってきとるなー」
「結構長くやってますもんね。ネタ無くなって来てるんですかね?」
「どうやろ」
「たまに本気のギャグみたいな話あって面白いんすけどね」
「今回グロい話とか無いんやな」
「えーつまんねー」
仕方無く自分でミカンを剥いてテーブルに肘付きながらミカンを口に運ぶ。
甘いヤツ買って来たから、美味い。
「怖い話見ながら京さん怖いから風呂一緒に入ってーって言おうと思ったのに」
「は、よう言うわ自ら発禁モンとか買って来る癖に」
「あは。でもその手の物なら京さんが見つけて来るの上手いですよね」
「まー好きな監督のがあるしな」
「最近新しいのあります?」
「今は無いなー…僕も待っとんやけど。るき、ココア淹れて」
「あ、はーい。白ココア買ったんすよ」
ちょうど番組も終わったし、京さんに言われて炬燵から出て立ち上がる。
うわ、暖房もしてんのに炬燵から出たら何となく足が寒ぃ。
ミルクパンで牛乳を温めて2人分の色違いのマグカップの中に白ココアの粉を入れた。
濃いめが好きだから、ちょっと多めで。
「はい、京さんココア」
「ん」
「やっぱ炬燵あったけー」
「…狭いんやけど」
「気の所為です」
「ウザいんやけど」
「いつもの事ですよ」
京さんにココアが入ったマグカップを渡して、自分の分をテーブルに置いて。
京さんが座ってる炬燵の一片に足を突っ込む。
ちょっと狭いから、京さんにピッタリくっつく。
1日オフで、京さんと一緒だったんだから最後は仕事も忘れてマッタリいちゃいちゃ過ごしてーんだもん。
マッタリしてる中、京さんも炬燵から出たくねーだろうから。
引きずり出されねー筈。
ココアを冷ましながら飲む京さんの肩に擦り寄る俺を放置。
イコール、振り払われない。
いつからこう言う風に穏やかに京さんと過ごせるようになったんだろう。
幸せだから、飽きる訳ねーじゃん。
京さんの事大好きだしね。
終
20111126
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