遊びの延長@※/敏京




「あっつー。ホンマ敏弥風呂で遊び過ぎやで」
「京君だって超ノリノリだったじゃん!ホラ、上着なきゃ風邪引くよ」
「暖房ついとるし暑いからいらん」
「服着て暖房消しなよ。アイス食ってるし、何か色々無駄な事してる気がしてならない」
「暖房ガンガンに効かした部屋で半裸でアイス食うんがえぇんや」
「……冷房つけながら毛布被ってココア飲んでる様なもんだね」
「それがえぇんやって」
「もー風邪引いても知らないよー?」
「引かん引かん」


敏弥がファンからのプレゼントやー言うて持って帰って来た水鉄砲。
一緒に風呂入ろう言うて、糞狭い風呂ん中で水鉄砲で遊んで。

不覚にも楽しかった。

ムカつくけど楽しかった。

お互い頭までビショビショんなりながら一個しか無い水鉄砲を奪い合って。
後は風呂の水掛けたりとか、もうめちゃくちゃで。

大の大人2人で何しとんやって思ったけど、楽しかったからもうえぇわ。


外が寒かったから暖房きかしといたけど、風呂上がりは暑くて。
下にジャージしか穿かんと、買っとったアイスを冷凍庫から取り出す。

テーブル前に胡座をかいて座ると、敏弥も缶チューハイ片手に僕の前に座った。


「としー、テレビ点けて」
「京君の近くにリモコンあんだろ」
「僕今忙しいー」
「アイス食ってるだけだろ」


テーブルに肩肘ついて棒アイスを舐めながら敏弥にテレビ点けるん促すと、敏弥は文句言いながらもテーブルの上にあるリモコンでテレビを点けた。

適当にチャンネルが回されるんをボーッと見よるけど、特に面白そうなんは無かった。


「…ッあ、」
「え?…っうわ、冷た…!ムッカつく!何やねん敏弥ティッシュ!」


肘付いてダラけた体勢のままボーッとしとると、敏弥が声を上げたんに反応して敏弥の方に視線を向けた瞬間。
自分の胸元にアイスが溶けて落ちる。

暖房が直に当たるトコにおったからか腹立つな。


まだ垂れて来るアイスにイラッとして、敏弥の方に手を差し出してティッシュを要求。
したら敏弥は缶チューハイをテーブルに置いて僕に近寄って来た。


「敏弥!早よぉ!」
「んー。俺が綺麗にしてあげるよ」
「は?ちょ、」
「あは。ベタにミルクアイスとか京君狙ってんの?」
「意味わからん事言うな、って…うぁ、何すんねん…!」


溶けて来たアイスが、手の平まで垂れて来てベタベタの手を敏弥が掴んで。
僕の胸元に唇を寄せて、ゆっくりと溶けたアイスを舐められた。


ホンマこいつは。
いつ何処で変態スイッチが入るかわからん。


僕の手を掴んどるから、敏弥の手も溶けたアイスが垂れて来て。
それでもお構い無しに、敏弥は僕の手のアイスをゆっくり舐め取った。

敏弥の舌の感触と、僕の皮膚を這うチラッと見える舌。

ちょっとエロいとか、そんな事思ってもうたやん。


楽しそうに細められた目と目が合って、ムッとして舐められとった手を無理矢理外す。


「なぁにすんの。まだ綺麗になってねーよ?」
「煩い」


されるばっかはムカつくやん。


そんな僕を舐めたいんやったら、舐めさしたるわ。


ホンマ僕もアホみたいに、スイッチが入るからアカン。


溶けてさっきより小さくなったアイスを口に咥えて、食うには大きいままのアイスを食べるでも無く。
咥えたまま敏弥を見つめて指で敏弥を呼んだ。


僕のしよる事をじっと見つめとった敏弥は、意味がわかって床に手を付いて伸び上がると。
アイス咥えとる僕の唇に吸い付いて来た。


そのまま、敏弥の口ん中に若干溶けたアイスを押し込む。
敏弥の身体が僕の足の間に入り込んで来て、後頭部を捕まれる。


僕と敏弥の口ん中、舌の応戦ですぐに溶けてくアイスは。
上向いとる僕の顎を伝って落ちた。

ベタベタんなった唇を、ゆっくり舐め上げたると敏弥に舌を絡め取られて舌と舌を合わせて舐める。

もうアイスは無くなったけど、甘い深いキスが続いた。


「ん…ッ、…は…」


敏弥の舌に吸い付き、甘噛みすると敏弥が少し声を出す。
ぎゅって僕の後頭部を掴む敏弥の手が強くなった。

ちゅっと音を立てて唇を離したると、敏弥が僕の顎に垂れたアイスを舐めとって。
間近で視線が絡む。


あぁ、ホンマ。
こんな遊びで欲情するとか、どうなん。

敏弥と遊ぶんは、どんな事でも楽しすぎる。




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