××系男子/京流
今日は仕事で帰宅したのは夜だったけど、京さんの帰りが遅いらしくて。
久々に凝った料理作りたいなーって思ってスーパーで材料を買って、自宅キッチンで作る。
こう言う時って圧力鍋便利だよなー。
カレーとかもすぐ出来るし。
鼻唄を歌いながら料理を着々と作っていく。
京さんと暮らす前から一人暮らしだし料理はしてたけど、京さんと暮らし始めてからだなー。
こんな風に凝った料理いっぱい覚えたの。
最初は上手く出来なかったけど、京さんが食べてくれるから頑張ろって思えたし。
頭の中でそんな事を考えながら、主菜と副菜の料理を作り終える。
後は京さんの帰りを待つだけ。
あ、ワイン合うかな。
最近京さん飲んでないし、せっかくだから久々に京さんと飲も。
皿に盛り付けるのは京さんが帰ってからにして、キッチンに皿とワインを出しておいて、リビングのテーブルで自分のパソコンを開く。
仕事しよーかなって思ったけど、何となくネット開いて。
ニュースとか下らねー事とか載ってんなー。
パソコンをイジってると、玄関の鍵が開く音が耳に届く。
立ち上がって玄関に向かうと京さんが帰って来てて。
「京さんおかえりなさい」
「ただいま」
「ご飯食べます?」
「うん」
「じゃ、すぐ用意しますね」
靴を脱いで、サングラスを外しながはゆっくり廊下を歩く京さんを見てキッチンへ。
IHのスイッチを押して、圧力鍋に入ってんのを温める。
「京さーん。出来ました」
「んー」
リビングで寛いでた京さんに声を掛けると見ていたテレビを消してキッチンの方へと来た。
「今日はロールキャベツ作りましたよー」
「ふーん」
「ワイン飲みません?最近飲んで無かったですし」
「うん、注いで」
「はい」
ロールキャベツとサイドメニューを綺麗に盛り付けてテーブルに並べる。
選んだワインは口当たりがいいヤツだから、濃い味にしたロールキャベツと合うと思うけど。
京さんと自分のワイングラスにワインを注いで、京さんと向かい合って食卓に座る。
「…いただきます」
「いただきますー」
「………」
「…京さん、味大丈夫ですか?」
「うん」
「よかったー。俺も食お」
「おいコラ。僕は毒味か」
「あはは、ちゃんと味見はしましたよー」
ワインを一口飲んで、自分も食べる。
中まで味染みてるし、よかった。
やっぱ圧力鍋優秀だなー。
「あ、今日ネット見てたんですけどね」
「うん」
「最近、草食系男子とか肉食系女子とか言う言葉が流行ってるじゃないですか」
「ふーん?」
「まぁ恋愛に消極的な男を草食系とか言うらしいんですけど、見た目草食系で中身がつがつする事をロールキャベツ男子って言うらしいです」
「え?肉を野菜で巻いとるから?」
「そうらしいですねー。で、逆に見た目肉食系なのに中身が草食系はベーコンアスパラ男子って言うらしいですよー」
「…何か、何でもかんでもカテゴリに分類したらえぇっつーもんちゃうやろ…」
「流行り言葉ってよく聞いたら変ですよねー」
「ホンマにな」
「京さんは何にりますかねー?」
「は?知らん」
「京さんて積極的にいく方ですか?」
「……。…や、どっちかって言うと相手が勝手に来る方、やな」
「マジで。やっぱ京さんモテるんですね」
「お前はがつがついく方やんな」
「そんなの京さんぐらいですよ。職業柄、どっちかって言うと誘われるのが多いですよねー」
「まぁ、この業界はな」
4つのカテゴリに分類されるとしたら、どう言う風になるんだろ。
京さんに会うまではそれなりに女も好きだったけど、京さんに抱く感情みたいに深くは無かったし。
確かに京さんには馬鹿みたいに必死だったけどさ。
「でもまぁ、京さんがカテゴリに分類されるイメージって無いんですよねー」
「どう言う意味や」
「予測不可能、的な?」
「は、訳わからんし。さすがるきやな」
「ちょ、それこそどう言う意味ですか」
「まんまやん」
「えー!」
そんな感じで京さんと喋りながら食事して。
京さんは全部食べてくれた。
それが当たり前になって来たけど、やっぱ凝った料理は手間もかかってるし、全部食ってくれると嬉しいな。
予測不可能、でも。
俺と一緒にこう言う風に飯食える状況になってる事が、一番の奇跡。
誘いが他人が入り込む余地が無い程、京さんにはがつがつ行かせていただきます。
終
20110909
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