小説② | ナノ

るきとルキ④※/京流

「綺麗やで？るきとは大違いやん…っ」
「やっだ…ッぁ、京さ…！聞きたくな…っあぁあァ…！！」
「はは。お前ホンマかわえぇな…ッ！」

楽しそうに言う京さんは、角度を変えて内壁を抉る。

そしたら俺の好きな所に京さんのカリの部分が引っ掛かって。
下半身から背筋へと快感が走る。

跳ねる俺の身体を押さえ付ける様に、首に掛かった京さんの手に力が入って来て。
この状況が堪らない。

俺を煽る京さんの言葉も、全部、好き。

「あぁあ…ッ気持ち、イイ…っダメ、京さ…！あっ、も、すぐイっちゃぁ…！！」
「ッは、イったら？オラオラ、お前ここ好きやろ」
「やぁアぁ！？や…っ、あ！も…っ無、理ぃ…！」

ズンッと根本まで突っ込まれて小刻みに揺り動かされて前立腺を狙われる。

強制的に射精させられる感覚。

身体が痙攣して、息が詰まる。
その瞬間とてつもない射精感に襲われて、頭ん中が真っ白になった。

「は…めっちゃ痙攣しとるで、ナカ」
「あ…ぁ、…」

ビクビクッと自分の腹に白濁を放って。
シーツの上に身体を弛緩させる。

京さんは、俺が射精してる間はナカの感覚を楽しんでる様に動きを止めて。

イったのを京さんが確認すると、京さんは俺の首から手を離して両手で腰を掴んで。

イったばっかの身体をむちゃくちゃに責め立てられる。

「あぁアぁ…ッ、待って下さ…っ俺イったばっか…！」
「は？お前がイっても僕がイってへんのやけど…っ」
「ひァ…っ！あっ、あ、京さんン…ッ」
「もっかいぐらいイけるやろ淫乱糞マゾ」
「…ッ」

制止しようとしても京さんがやめてくれる筈もなく。
敏感になった粘膜を擦られてたまらず悶える。

ピストンしながら京さんに太股を叩かれると、中の京さんを締め付ける。

それに感じてまた疼きが這い上がって来た。

京さんが上体を倒して来て、俺の身体を抱き締めるから、俺も背中に腕を回して必死にしがみつく。

上から叩きつけられる様な動きに逃げられないまま喘いで。

「あっ、ぁ、きょ、さッ…ァ…！」
「…ん、るき…っ」
「ンぅ…！」

京さんに噛み付く様にキスされて、くぐもった喘ぎ声が寝室に響いた。
京さんのピストンに合わせてベッドが軋んで。

俺自身、また刺激に勃ち上がってくのがわかる。

こんな密着して、感じんなって方が無理だろ。

俺を見て。
俺で感じて。

他の誰にも渡さない。

京さんの背中に強く爪を立てる。

キスをして舌を絡めて、それが苦しくなってもまだ解放されなくて。

呼吸さえも、京さんに支配されていたい。

「ッは、ぁあア…！」

京さんの動きが射精前のピストンに変わって。

イきそうってわかるぐらい中の京さん自身が硬くなるのがわかる。
それに呼応して、京さんにイって欲しくて中を締め付ける。

肌のぶつかる音の間隔が早くなって。

「…ッる、き…」
「───ッ…！」

耳元で京さんの息が詰まる声がして。
最奥に自身を突っ込まれて中で弾ける。

その声だけでイってしまった俺も大概。
腹に擦れた俺自身は、お互いの腹の間で白濁を放った。

何回か腰を揺らした京さんは、俺の両頬を掴んで乱暴にキスをして来て。

唇を合わせるだけのキス。
心地良くて、幸せに何もかも力が入らなくなるぐらい。

呼吸を整えて、ベッドの隣で座って煙草を吸う京さんを見上げる。

「……京さん、メイクしてる方が好きですか」
「んー？別に」
「何かこっちの方が良さげだったじゃないですか…」
「まぁ、いつものるきと違うかったから新鮮っちゃー新鮮やったけど」
「…やっぱ普段の俺飽きたんすか」
「はぁ？何なんもうお前。誰もそんな事言うてへんやんめんどいな！」

京さんは溜め息を吐いてベッドサイドの灰皿に煙草を押し付けた。

だってさー。
今日のセックス京さんスゲー優しかったしさー。

言葉は意地悪だったけど。

「ねー京さん」
「何やねん」
「じゃ、次は京さんがメイクして下さいよ」
「嫌やし。それこそお前はメイクしとる僕がえぇとか言いそう」
「あは」
「否定せんのかい」
「ぁ痛。でもやっぱ普段通りがいいですね。京さんにこっちの方がいいとか言われたら嫌ですもん」
「は、何で」
「メイクしてる俺に嫉妬します」
「自分やん」
「自分ですけど、やっぱ別物ですから『ルキ』は」
「訳わからん」

貴方が気に入ってくれている『るき』でいたいんです、俺は。

あーもう。
早くメイク落としたい。

風呂入りたい。

そして京さんに抱き枕にされて寝たい。

素のままの俺に触れて欲しい。

終
20110913

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