それは自業自得で可愛い君/敏京




「あっつー…ちょぉリモコン何処。暑い」
「もー京君、風呂上がりにパンツ一丁ってどうなの」
「何や悪いんか」
「全っ然。寧ろ俺の目の保養で欲情します」
「うわ、キモ…引くわぁ…あっち行って」
「いーやー」


しっしっと京君は手で払う仕草をしたけど、気にせず風呂上がりで下着のみの格好で出て来た京君に読んでた漫画を置いて近寄る。

京君はエアコンのリモコンを取って、今のままでも十分冷えてる筈なのに18度まで設定温度を下げた。

胡座を掻いて床に座って、その手には今日帰りに買ったアイスキャンディーと烏龍茶。

冷たい物ばっか。


「そんな格好でアイス食べてたらお腹壊すよ?」
「ガキちゃうんやから平気。暑いし」
「もー…お腹痛くなっても知らないからね!」
「寧ろ敏弥が僕が腹痛くなっとんのに放っておく事が出来るんかが謎やわ」
「……確かに」
「ふはっ、認めるんや」
「だって京君の事が心配じゃーん」


テーブルに肘付いて、だらけた格好のままアイスキャンデー(ミルク味)をかじりながら京君はテレビのリモコンを操作して、適当にチャンネルを回す。

そんな京君をじっと見つめる。

や、別にパンツ一丁だからってエロい雰囲気は一切ないし。
寧ろ男らしいんだけど、京君だって思うだけで可愛いと言うか何と言うか。


うん、可愛い。


「あー…何もテレビやってへん」
「今夜中だしねぇ…DVD観る?」
「もう眠いしまた今度でえぇ」
「寝る前にアイス食うと太っちゃうよ」
「いけるし」
「嘘ー?こことかどうよ」
「ちょ、触んな!」


京君のお腹に手を伸ばして、お腹の皮膚をちょっと摘まむ。
まぁ、そんなに肉付いてねーけど。

京君は嫌そうな声を上げて俺の手をペシッと叩いた。

さっきからもー!
俺の事ぞんざいに扱い過ぎじゃない?


それでもテーブルに肘付いて、京君をじっと見つめる。
京君は時々チラッと俺の方を見ながら黙々とアイスキャンディーを食べ進める。


可愛いなぁ…意外に睫毛も長いしね。


「…なん、お前じっと見すぎ。見んな」
「無理。可愛いし大好きだから」
「あぁ…キモい笑顔で見とったしな」
「キモくねーよ、格好良い敏弥さんだろ」
「はいはい」
「もー!あ、俺にも一口ちょうだい」
「えー…」
「あーん」
「……」
「あーん!!」
「…しゃーない奴やなぁ」


京君は嫌そうな顔をしながらも、口を開けて待つ俺に半分ぐらいかじったアイスキャンディーを差し出して来た。

ちょっとだけかじる。
ミルク味で冷たくて甘くて美味しい。


「何や餌付けしとるみたい」
「いつもは京君が餌付けされてるけどね!」
「は?ありえんわ」


メンバーとかにもお菓子貰う癖にー。


京君は時おり烏龍茶を飲みながらアイスを食べて行く。

あー…俺もシャワー浴びて来ようかな。
眠い。


京君はアイスを食べ終わって、灰皿に棒を捨てた。

じゃ、俺は風呂行こうかなーって思った時。


「敏弥、寒い」
「ッ、冷房下げてパンツ一丁でアイス食べるからじゃん!馬鹿!」
「えぇから寒い。僕の服取って」
「嫌でーす」
「は?」
「こうしてあっためます」


アイス食べ終えたらこれだよ。
そりゃ下着しか身に付けてなくてエアコン18度にしてアイス食ってたら寒いよ!

馬鹿じゃん。

そんなトコが超可愛い。


堪らなくて、ぎゅーっと京君の身体を抱き締める。

マジで鳥肌立ってんじゃん。

人肌が温めるのには一番いいしね。


エアコンを切って、京君の身体を正面からぎゅーって。


背中擦ってあげたら、首元辺りに京君が頭を預けて来た。

うわぁ…可愛い。

いつも寒くしたらくっついて来てくれるかな。


そんな事を考えながら京君に擦り寄る。


でもお腹壊しちゃうのはダメだしね。


「敏弥ぬくいわぁ」
「愛情が籠ってますから」
「キモーい」


エロい雰囲気一切なかったし、眠かった筈なんだけど。
京君が可愛いから今日は頑張っちゃお。




20110829



[ 171/442 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -