ちゅープリ/敏京+堕




「ねーねー堕威君、見てコレ!」
「なん」
「京君とのちゅープリ。昨日撮ったの」
「うわ、ホンマや。敏弥はわかるけど京君がよう許可したなコレ」
「ゲームで対戦して、負けた方が勝った方の言う事聞くって賭けてたんだー」
「あーなる程」
「京君、ちょー可愛くない?」
「…いや、俺としては何でメンバーのキスしとるプリクラ見せられとんやろって感じなんやけど…」
「だって自慢したいもん」
「京君見たら怒るんちゃうの」
「えー?まぁそこは、ね」
「何やそれ」


仕事場に一緒に来た敏弥と京君。

入って来るなり、京君は薫君に呼ばれて話しとって。
敏弥は嬉々として俺が座っとるソファの方に来て携帯を見せて来た。

二つ折り携帯の、開いた画面の端っこには小さいプリクラが貼ってあって。


目を凝らして見てみたソレに苦笑い。

敏弥はえらい嬉しそうやけど。


チラッと薫君と喋っとる京君に視線を向ける。


何や、こう言うの見るとメンバーやけどちゃんと恋人同士なんやなぁ…って感慨深いモンがあるわ。

敏弥のが暴走しがちやけど、ちゃんとお互い好きなんやなって。


目の前で京君京君言うて惚気る敏弥にはちょっとウザいけど。


「これ薫に見せたら卒倒するんちゃう」
「それこそ俺がビックリするよ!薫君は京君の事好き過ぎー」
「そら俺も思うわ」
「京君も薫君の事信頼してるしさ、そう言うのってメンバーとしてはいいんだけど恋人としては複雑」
「嫉妬は程々にしときやー?」
「わかってるよ。じゃ、次は心夜に自慢してこよー」
「…ホンマにわかっとんかいな」


俺の隣に座っとった敏弥は立ち上がって、端の方で書面読んどった心夜の方に寄ってった。

敏弥嬉しそうやなー。


うわ、心夜絡まれて鬱陶しそう。


「堕威君なにニヤニヤしとん。キショいで」
「おー、京君。まぁ座り」
「何やねん」


2人のやり取りを遠巻きに見とったら、薫君と話しとった京君がこっちにやって来た。


俺の隣のソファを叩くと、訝しげな視線を向けて来ながらも素直に隣に座って。


「京君て敏弥の事好きやんなぁ?」
「…なん、いきなり」
「プリクラ」
「!」
「見てもーた。キスしとるヤツ」
「最ッ悪や…」


京君は一瞬固まって表情はひきつり、片手で顔を覆いながらうなだれた。
そんな風にヘコむ京君の左手薬指には敏弥と同じシンプルなリングがしてあって。

あー、これも敏弥がめっちゃ自慢しとったなぁ…って思う。


敏弥の惚気はしつこいしウザいけど、京君はサラッとそう言う事しとるから。
お互い何だかんだお似合いやんな。


「まーそう落ち込むなや。2人お似合いやったで」
「全ッ然嬉しないし。もー最悪やあんなん見られとか」
「バカップルやもんなぁ…」
「僕はちゃう。僕はちゃうから。敏弥がアカンのや」
「あー…でも敏弥止めんと皆に広まってまうで」
「あンの野郎…」


心夜に携帯を見せながら絡む敏弥を見て、京君を見ると。
顔を上げて敏弥を睨み付けながら立ち上がる。


敏弥と心夜の方に行って、敏弥の携帯を奪いにかかる。

…リーチの差があるから避けられとるけど。

敏弥と京君が何やギャーギャー言い合いして、心夜は絡まれとるんが無くなって我関せず、と無視。


微笑ましいなぁ。


「…何笑っとん堕威」
「あ、薫。敏弥に携帯見た?」
「は?いや、見てへんけど…」
「ほな薫は見ん方がえぇでー」
「何でや。逆に気になるわ」


俺の前を通ってった薫は苦笑いをしながら、仕事すんでーと煩い敏弥と京君の方に行った。

あの2人はまだ攻防戦しとる。


「あ!薫君これ見て!これ!」
「やめろ!やめろアホ!死ね!」


…平和やなぁ。




20110727



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