いつもの事/京流+玲




ルキと仕事帰りに久々に飯食いに来て。
京さんがレコでスタジオに缶詰状態なんだとよ。

ま、いーけど。

昔はよく一緒に遊びに行ったりしてたし。
京さんと一緒に暮らす様になってそれも少なくなっちまったから、やっぱルキと一緒に話すんの楽しいし。


「此処、スタッフさんに教えて貰った店なんだよ」
「ふーん。いい雰囲気じゃね」
「だろ。やっぱ自分で発見すんのも楽しいけど他人のオススメとかもいいよな」
「どうせまた料理美味かったら京さんと来よーとか思ってんだろ」
「おぅ、よくわかったな」
「そりゃールキの事ですから?」
「はは、れーちゃんさっすが」


軽口を叩きながら、ルキがスタに教えて貰ったって言う店に入り案内された席に着く。


暗めの店内で、テーブルも仕切られてるし雰囲気のある店だった。

ルキはよく美味い店とか聞いてんだよなー。

京さんと外食する時に京さんが美味いと思うトコ行きてーんだと。
健気だねー。

今までの彼女にそんな事したの見た事ねーぞ。


「ルキ何か飲む?」
「れいたは?」
「車だから無理だって。お前送ってくし。俺はー…コーラ」
「んー…カシオレ」
「はいはい」


メニューを広げてドリンクを選ぶと店員に注文する。
ルキは煙草を咥えて火を点けながらフードメニューを眺めてて。


こいつ勝手にいつも決めんだよなー。
ま、俺は何でもいいんだけど。


「ルキ決まった?」
「うん、これと、これ。後これも食いたい」
「あ、この料理頼んでい?」
「いーよ」


ふーっとルキが煙草の煙を吐き出す中、店員を呼んでルキが言った料理と自分が食べたいのを注文する。


京さんといる時は何でもかんでも京さんの世話するけど、実際我儘だし何もしねー奴だよな。
ルキだから仕方ねーって甘やかしちまうんだけど。

多分、メンバーも皆。


「じゃ、今日もお疲れ」
「おぅ、お疲れー」


ルキは煙草を灰皿に押し付けて。
コーラとカシオレのグラスを合わせて一口だけ飲む。

すると、ルキが何か思い出した様に自分の鞄を漁って携帯を取り出した。


「あ、そう言えばさ」
「ん?」
「メンバーで花見行くのナシになったじゃん?」
「あぁー野郎5人が花見って、って感じでな」
「だから前に京さんと飯食った帰りに花見行こうーって言ったら京さんOKしてくれてさ」
「へー」
「まぁ、繁華街の外れにある一角に桜あったっつー話なんだけど。これこれ。桜と京さん!超いい写メじゃね」


ルキが携帯を俺の方に差し出して来て。
携帯の画面を覗き込むと、ほとんど影になって表情がわかりにくい京さんとライトに照らされた夜桜。


確かにコントラストが綺麗。

こう言う時にもクオリティ重視するルキは職人肌だなって思う。


つーか、これが待ち受けって…どうなんだよ、ルキ。


「あーうん、綺麗だなー、桜。俺も花見行きてー」
「桜じゃねーよ。京さんもいるじゃん」
「や、お前は付き合ってるからいいかもしんねーけど、俺からしたらあんま会った事ねーし。格好良いけど言い様がねーよ」
「何でだよ。もう桜散ったけど、今度はちゃんと花見行きてーなー。弁当作って」
「やっぱ野郎5人で行っとけばよかったな」
「それに京さん誘ったら来てくんねーかな」
「あの人そう言うの嫌いそうだな」
「うん、嫌い。打ち上げも出ねーし、メンバーとも行かねーらしいし」


ルキは携帯をイジりながら、チビチビとカシオレを飲む。


そう言う話を聞くと、少し話した事がある京さんの姿を思い出して納得。

でも、そんな人と関わるのを嫌がる人が。
どっちかって言うと世話のかかりそうなルキと一緒に暮らしてるって不思議な感じだ。


や、ルキが世話してんのか。


何年も一緒に暮らしてるって事は相性いいんだろうな。


何だかんだで花見行くのも付き合ってるし。

昔は京さんのペースだったけど、今はルキのペースに柔軟になった、気がする。


その後も京さんの話を延々とするルキに相槌を打ちながら。
運ばれて来た料理を摘まむ。


あ、此処の料理美味い。


「れいた、聞いてる?」
「聞いてる聞いてる」


ただ、ルキが近況報告として喋るから、京さんの情報筒抜けなんだけど。
俺に。


そこんトコ大丈夫かよ、ルキさん。


ま、嬉しいけど。


仲良いダチが幸せなのはイイ事だしな。




20110420



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